フィリピンから俳優を目指して来日、映画『PLAN75』などで国内外で高い評価を受けるステファニー・アリアン「マイノリティの背景を持つ人たちの声になれることにやりがいを感じています」 | ニュース | Deview-デビュー

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2025/07/28 17:51

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フィリピンから俳優を目指して来日、映画『PLAN75』などで国内外で高い評価を受けるステファニー・アリアン「マイノリティの背景を持つ人たちの声になれることにやりがいを感じています」

「TORAインターナショナル」所属:ステファニー・アリアン(C)Deview
「TORAインターナショナル」所属:ステファニー・アリアン(C)Deview

 オーディションメディアのパイオニア「デビュー/Deview」による毎年恒例・業界最大規模のBIGチャンス『夏の特別オーディション2025』。デビューが厳選した158社の芸能プロダクションが一斉に新人募集を行う特集企画に合わせて、参加事務所がプッシュする所属者にインタビュー。グローバルな映画作りを世界に向けて発信する「TORAインターナショナル」に所属するステファニー・アリアンは、フィリピンから俳優を目指して来日、映画『PLAN75』の演技が高く評価され、国内外に活動の幅を広げている。そんな彼女に、俳優をめざしたきっかけから、仕事のやりがい、所属事務所について、そしてこれから俳優を目指す人へのメッセージについて話をきいた。

【TORAインターナショナル所属/ステファニー・アリアン インタビュー】

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――俳優の仕事を始めたきっかけについて教えてください。

「フィリピンにいたときからずっと俳優になりたいと思っていたのですが、おばあちゃんはプロの俳優になることには反対で、子供のうちは学業に集中しなさいと言って許してくれなかったんです。そして、東京に引っ越して来た時に、本気でプロの俳優に挑戦しようと決心したんです。18歳になったばかりのときで、新しい国で、日本語も全然喋れなかったので不安もたくさんあったんですが、今はあの時の自分にすごく感謝してます。すごく頑張って扉を開いてくれたので」

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――元々演技をすることが好きだったんですか?

「家族のパーティーなどでは、私が歌やダンスを披露していました。映画を観たら、そのシーンを真似して自分で演じて観たりすることも好きでした。東京に出てきてからは、反対するおばあちゃんもいないし(笑)、自分のやりたいことをやってみようと思ったんです」

――日本で演技のお仕事を始めるのは大変ではなかったですか?

「日本に来た最初のころは、全然何もわかりませんでした。でも私はフレンドリーな性格なので、たくさんのモデルや俳優の友達ができて、たくさん話を聞いて助けてもらいました。あと、以前に出演した短編映画の監督は、今は友達なんですけど、東京で俳優活動をするためのアドバイスをたくさんもらいました」

――以前は外国人専門のフリーランスのエージェンシーに登録していたそうですね。

「CMや再現ドラマにエキストラ出演したり、演技のワークショップや即興の舞台に出演したりしていました。映画関係者が集まるイベントにも参加して、キャスティング・ディレクターと知り合い、その後田中征爾監督の『メランコリック』に出演することになりました。積極的に業界関係者とコミュニケーションを取って、それが演技のお仕事につながっていったんです」

――そうしたなかでも『PLAN75』(早川千絵監督)では主役の一人を演じ、高い評価を受けました。この作品への出演はオーディションで決まったそうですね。

「『PLAN75』のフィリピン女性を演じる俳優はすでに決まっていたんですが、撮影がコロナの時期と重なって来日できなくなったんです。そこでギリギリのスケジュールでオーディションが行われて、撮影開始の約2週間前に私が出演することが決まりました。コロナ禍の中での撮影は厳しく大変だったのですが、この作品が後に成功したことが、私にとって一番のターニングポイントになりました。実はコロナ禍の最中に、俳優を辞めようかと考えていたんです」

――そんな時があったんですね。それが『PLAN75』で大きく変わったと。

「映画『メランコリック』に出演したとき、東京国際映画祭のレッドカーペットを歩くなど、多くのことを経験できたんですが、その後コロナ禍で仕事が全部止まってしまった。そこで私の俳優としての夢はここまでかなと思ってしまったんです。でもそんなときに『PLAN75』との出会いがあって、まるで運命のように感じました。神様からの“まだ頑張ってね”という大きなサインのような。最初の私の夢は“映画に出たい”というところまでだったんですが、大規模な映画に出演して、カンヌ映画祭にまで行くことができたのはすごく大きなサプライズで、ディズニーのプリンセスになったような瞬間でした」

――『PLAN75』は海外の映画祭でも高く評価され、ステファニーさんもマレーシア国際映画祭2023で最優秀助演女優賞を受賞されました。

「カンヌに行ったときは、いつもときめいてふわっふわしてました(笑)。早川監督とフォトコールに参加したときには、私たちの前にアン・ハサウェイがいて! プレミア上映の後には5分間ものスタンディング・オベーションがあって、すごく泣いてしまいました。マレーシア国際映画祭では、ノミネートだけでも嬉しかったんですが、人生で初めての女優賞をいただいて、もう本当に夢のような時間でした。そこで俳優としての夢がまた大きくなったんです。『PLAN75』は私の国内外でのキャリアを広げてくれましたし、スタッフの皆さんとファミリーのような関係を築くことができました」

――その後、TORAインターナショナルに所属するんですね。

「映画『フィリピンパブ嬢の社会学』(白羽弥仁監督)の撮影が終わった後に、TORAインターナショナルでマネジメントをしていただくというお話をいただきました。それまでは、英語の先生や、クッキー屋さんのマネージャーをしたり、別の仕事をしながら俳優をしていたんですが、信頼できる映画プロデューサーの三谷(一夫/TORAインターナショナル代表)さんと一緒に仕事ができるようになって変わりました。いつも私のことを大切に考えてくださって、現場でも安心して撮影に臨めます。海外での撮影も色々とサポートしてくれますし、自分のキャリアについてのアイディアも、一緒に話し合いながら進めてくれるのも嬉しいです」

――日本の映画の現場で大変なことはありますか?

「私はフィリピンと日本のミックスなんですけど、日本では育っていないので、言葉と文化の違いが一番大変ですね。映画『チャチャ』(酒井麻衣監督)では、日本人の恋人と同棲している役を演じたんですが、そんな経験がなかったので苦労しました。でも恋人役の塩野瑛久さんと文化の違いについてたくさん話すことができて、その会話がキャラクター作りにもとても役に立ちました。そこでも自分のコミュニケーション力が役立ちましたね」

――TORAインターナショナルを通じて国内外で俳優の仕事の幅が広がったようですね。

「私はネイティブに英語とタガログ語を話せるので、国際的な共同制作の作品でも大きな強みになっていると感じます。父が日本人で母がフィリピン人なんですが、ミックスとして育った経験は、様々な人を理解しようとする力を育んでくれました。そして両親は、希望を持ち続けること、やりたい気持ちを忘れないことなど、俳優にとって大切な心の強さを教えてくれたと思います」

――今、俳優としてやりがいを感じるのはどんなことですか?

「演じたものが、誰かの心に届いたときですね。フィリピン人女性の家族の物語を描いた音楽劇『マハルコ組曲』に主演したときには、お客さんが“自分の物語を初めて見てもらえた”と涙を流してくれたのが心に残っています。私は社会問題に関わる作品に出ていることが多いんですが、その作品で感動したり、興味を持ったと言ってもらえると、本当に意味のあることだなと感じます。日本で暮らすフィリピン人やミックスなど、マイノリティの背景を持つ人たちの声になれることに大きなやりがいを感じています」

――デビューにもミックスのルーツを持つユーザーは増えているので、心強いメッセージになると思います。

「昔も18歳で日本に来た時、フィリピン人のミックスであることを少し恥ずかしく思う時もありました。でも現在は俳優としてメッセージを届ける仕事ができているので、誇りに思っています。今、TORAインターナショナルと一緒にフィリピンやミックスのイメージをもっとアップできるように、『ハロハロハウス』というWebドラマシリーズを企画しているんです。“ハロハロ”という言葉には“混ぜこぜ”という意味があって、多様な人種が混ぜこぜになっているシェアハウスを舞台にしたお話をお届けしようと思っています」

――日本の地で、逞しく道を切り拓いてきたステファニーさんに、ご自身の経験を踏まえて、デビュー読者にエールをいただけますでしょうか?

「たくさんあるのですが、今回は3つだけ。一つ目は『俳優として成長し続ける努力は大切ですが、無理はしないでください』。心の健康、つまりメンタルヘルスを大切にして欲しいです。NOと言う勇気も時には必要です。二つ目は『自分を本気で応援してくれる人たちを大切にしてください』。勝っても負けても味方でいてくれる人は宝物です。あとは周りと比べないこと。みんな成功するタイミングは違いますから、周りはライバルじゃなくてインスピレーションを与えてくれる存在として見てください。そして最後は私の大好きな言葉『Stay delulu』。英語のスラングで“夢を見続けよう”という意味です。自分が自分の一番の応援団になることも大事です。自分のストーリーを信じてください。チャンスはいつどこから来るかわからないからワクワクしながら待ってみましょう!」

――ステファニーさんは今も夢を見続けていると思いますが、どんな夢を描いていますか?

「最近は、渋谷でもどこでも大谷翔平さんの顔の広告ばかりじゃないですか。だから私の新しい夢は大谷翔平みたいになること(笑)。でも本当は、日本でも海外でもどこでも見られる映画にたくさん出たい。そしてもちろん一番高い夢は米アカデミー賞をもらうことです。私が俳優として認められて幸せになることが、最初は俳優になることに反対だったおばあちゃんへのプレゼント、恩返しになるんじゃないかなと思います」

 なお現在「TORAインターナショナル」は「夏の特別オーディション2025」で新人を募集中。募集しているのは13歳から49歳の男女。日本国籍以外の人、ハーフも歓迎だという。応募の締め切りは8月15日。方法はオーディション情報サイト「デビュー」に掲載されている。

■PROFILE
フィリピン人と日本人の両親のもと、フィリピンで生まれ育った俳優。18歳で来日し、東京で女優としてのキャリアを確立。2022年、映画『PLAN75』(主演:倍賞千恵子、磯村勇斗)に主役の一人=マリア役で出演。同作品は2022年の第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞し、2023年の第95回アカデミー賞の日本作品として出品された。また、本人もマレーシア国際映画祭2023に最優秀助演女優賞を受賞。近年の出演作に『フィリピンパブ嬢の社会学』『チャチャ』『ブルーイマジン』『Hello,my friend』などがある

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