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2023/03/23 19:06
『第十七回声優アワード 新人発掘オーディション』に合格し声優事務所のスカウトを受けた千葉県の19歳・伊藤諒さん「低音を武器にナレーションや吹替でも活躍したい」
才能ある声優の卵を発掘・育成する『第十七回声優アワード 新人発掘オーディション』が11日、文化放送メディアプラスホールにて開催された。最終選考に出場した38名のうち、21名の声優のたまごたちに声優事務所のスカウトの札が挙がった。最終審査のステージで3社からの指名を受けた、千葉県出身の19歳・伊藤諒さんは、若くしてダンディな声質を持つ本格派。「ナレーションや吹替でも活躍できる杉田智和さんや銀河万丈さんのような声優が目標」と語った。
『声優アワード 新人発掘オーディション』は、年度毎に印象に残る活躍をした声優を称える『声優アワード』の誕生とともに産声をあげ、今年17回目の開催。事前に行われた声優事務所による一次選考を通過した40名が最終選考に進出(当日2名欠席)。同日に名だたる声優が登壇する『声優アワード受賞者発表番組』と同じステージを使い、自己PR・テキストリーディング・2人1組でのシナリオリーディング・質疑応答の審査を実施。そして、最終的に21名に参加声優事務所からスカウトの札が挙がった。
指名の札が複数挙がった瞬間、思わず「やったぜ!」と声を出してしまったという伊藤さん。「審査の時、最初は緊張していたんですが、自分の良さを見せつけてやりたいという気持ちが湧いてきて。ナレーションや演技の披露を終わった後に、“やってやったぜ”という想いだったんです。それが結果として現れたことで、思わず叫んでしまって」とはにかむ。
当日を迎えるにあたって、入念に準備をしてきたという。「ナレーション原稿は月面着陸がテーマのものを選んだんですが、ロケット打ち上げでタイムリーな話題だったので、宇宙開発では実際どんなことを行っているのか? 企業が月に進出する目的は? など、興味を持って調べることが出来ました。事前にバックボーンを調べていたので、自信を持って上手く話すことができたかなと思っています」
二人一組で台本を演じる「シナリオリーディング」では、演技の経験はほとんどなかったが、ペアになった相手のアドバイスも活かせたという。「ペアを組んだのが芸術系の大学を出ている方で、練習時間の15分の間にアドバイスをいただいて、上手くできたと思います。“二人の役柄の関係性をはっきりさせよう”とか“この役も生きているんだし、ずっと突っ立って喋っているわけじゃないから、何をしているのか、どんなポーズを取っているのか意識しよう”って」
伊藤さんは19歳という年齢にしては、低音でソフトなダンディな声を持っているのが特徴。「高校生ぐらいから本格的に声が低くなってきたんです。授業で教科書を音読するときに“上手だね”って言われるようになって、自信がついて、長所と思えるようになりました」という。なお、ヒゲについては「コロナ禍で家にいる時に1ヵ月放置したらこうなって、そのまま整えるようになったんです」というが、その声をさらに印象付ける役に立ったと言えるだろう。
伊藤さんは「憧れの人のように、好きなことをしたい」と声優を目指した理由を語っていたが、その人は偉大な親戚だった。「憧れの人はおじいちゃんのいとこで、親戚にあたる手塚治虫さんなんです。生まれた時には亡くなっていたので会うことはできなかったんですが、母親や親戚から話を聞いていたので、すごいことをした方が親戚にいるんだと思っていました。自分の好きなことで世界を変えたわけですが、あまりにも偉大過ぎますけど、彼の100分の1でも、自分の好きなことで人の人生に関われたらいいなと思っています」
目指す声優像について「自分の適性を考えた時、ナレーションや吹替でも活躍できる声優」といい「人の人生を変えられるような人になるのが夢」と語る。自身の個性を活かして、目標とする「杉田智和さんや銀河万丈さん」のような声優として羽ばたくことに期待したい。