5人組アイドルグループ・Ange☆Reveが『権田夏海Ange☆Reve卒業公演』を26日、大手町三井ホールで開催。同ステージで、権田は約10年間に及ぶアイドル人生にピリオドを打った。

　権田はアイドルグループ・愛乙女☆DOLLの3期研究生ユニットとして結成されたDoll☆Elementsのメンバーとしてデビュー。リーダーを務めメジャーフィールドで活動したが、2017年に1月に解散。その年の年末にAnge☆Reveに正式加入し、現在まで活動してきた。

　「最後まで悔いなく楽しんでいくよ〜！」との権田の掛け声でライブはスタート。ライブでお馴染みの楽曲から、別れを感じさせる「Winding Road」「泣かないよ」のような楽曲で切なく泣かせにかかったかと思えば、暗転で衣装を早替え。権田は赤、メンバーは黒のセパレートで大人の装いで、セクシーで“堕天使”の側面を披露。情熱的で美脚際立つパフォーマンスは権田の本領発揮と言えるものだった。

　あんじゅれの権田の魅力をたっぷりとファンの記憶に残したところで、「私も10年間、数え切れない曲をやってきたんですが、古参も大事じゃないですか?　懐かしい顔も来てくれているので、いっちゃいたいと思います！」と言い、Doll☆Elementsのインディーズ時代の楽曲「Dolly Kiss」「ミラクル☆エレメンツ」「ギュッとStar!!」を連続パフォーマンス。これには10年来の“ごんちゃん推し”もノックアウトされ、権田も「最前で古参が大号泣してますけど（笑）」としてやったりの表情を見せた。

　「この勢いでラストスパート行きましょう！」と「Freaky☆Rock☆Party」「Love Scream」(※oはハートマーク)「キミエモーション」とアガる曲を連発。キラーチューンの「イトシラブ」ではメンバーが「ごんちゃんのすべてが好きよ〜」と替え歌で歌い、決め台詞の“大好きだよ”の権田がキュートに言うなど大サービスで盛り上げた。

　ここで、権田がアイドルをスタートしたころからの映像がスクリーンに映し出され、会場も感傷的な空気に。一人で登場した権田は「私はちょうど10年ぐらい前に、どうしてもアイドルをやりたいという夢を諦めきれなくて、就職先を辞めて、親にも誰にも黙って少しのお金だけ持って、夜行バスに乗って勝手に上京してきました。後々、やっぱり親に説明しなきゃいけない時が来て、心配もあって反対されました。でも、8年前のバースデーライブをお母さんが初めて観に来てくれて、たくさんの方に応援してもらって、楽しそうに歌って踊っている姿を観て、“頑張れ！”って、その日から一番のファンでいてくれています」と思い出を語りだす。

　そして「その日限りで披露した曲を、8年越しに披露したいと思います」とアコースティックギターを手にする。「アイドル人生の中で唯一もらったソロ曲で、ギターなんて弾いたことないんですけど。最後に自分を追い込みたい、何か達成したいと思って、この日のために、練習期間はめっちゃ短かったんですけど」と、ギターの弾き語りで「雨フリ、さよなら」を歌唱した。

　涙ぐみながらも歌い切った権田は、ファンに向けて静かにゆっくりと語りかける。「思い返せば10年前、すごく思い切った行動やったなって思うんですけど、でも最後に、今こうしてすごく幸せな気持ちでステージに立てているので、その時の選択は本当に間違ってなかったって思います」。

「最初は自信が無くて、自分のこと全然好きじゃなくて。でもやっていくうちに自信がついて、自分を好きになることが出来て…。本当にたくさんの人との出会いと別れがあって、でもだからこそたくさん成長することが出来て…。私の歌を受け入れて、好きになってくれて、見守ってくれて本当にありがとうございました」。

「本当はすごくさみしいんですけど、でも私の大好きなアイドルという職業を辞めて、好きなステージを離れるという大きな決断が、10年前の大きな決断のように、絶対何年後かにこれで良かったんだって思えるぐらい、私は幸せになるので、皆さんも私のことを優しく見守ってくれたように、今度は自分のことをたくさん甘やかして、愛して、幸せになってください」。

　そこまで話したところで「話したいことはたくさんあるんですけど、歌って踊ることが大好きでステージに立ってきたので、最後までパフォーマンスで気持ちをぶつけたいと思います」と、メンバーを呼び寄せ、「この5人のあんじゅれだから続けてこれて、この5人だから“最強だ”って胸を張ってステージに立つことが出来ました。私は辞めてしまうんですけど、一番のファンとして応援するので。皆さんも応援宜しくお願いします」と、ラストスパートとして「最初にあんじゅれに関わった曲」として「星空プラネタリウム」を歌唱し、本編の幕を閉じた。

　そしてアンコールでは一転、マフラータオルを振り回し元気に「サマ☆ラブ」をパフォーマンス。「さみしい感じで終われないので、アンコール本当に助かりました！」と最後にファンの目に笑顔を焼き付ける。「絶対リメンバー」「運命的％」でラストを飾ると「本当に本当に、長かったようであっという間の10年間でした！皆さんたくさんの応援、本当にありがとうございました！」と、自身のアイドル人生に終止符を打った。