ニュース
2021/02/21 20:01
仮面女子から誕生したユニット「kiraboshi」を巡る人間ドキュメント『今は、進め。』「アイドルの裏側を観ていただけます」
最強の地下アイドル・仮面女子から、オーディションで選抜された森下舞桜・涼邑芹・木下友里の3名による新ユニット「kiraboshi(きらぼし)」が誕生。ユニット誕生までの5ヵ月間に密着したドキュメンタリー映画『今は、進め。』が、2021年2月26日から全国のイオンシネマ約70館にて上映されることが決定した。映画の公開に先駆け、kiraboshiの3人に、ユニット結成について、ドキュメンタリー撮影の裏側について、そして“この3人で良かった”と語るメンバーについて話を聞いた。
◆kiraboshi/森下舞桜・涼邑芹・木下友里インタビュー
――「kiraboshi」というユニットをオーディションで作ること、ドキュメンタリー映画が製作されることを聞いたときの感想は?
木下友里「絶対に受かりたいと思ったんですが、自分が納得できるような出来ではなくて、スタッフさんにすごく長文の反省メールを送って(笑)。すごく悔しくてしばらく引きずっていました。自分と周りを比べがちで、自分は自分と言う考えができない人なので。でも、もし受からなくても自分のためになったから良かったな…って思っていたら、3人の中で一番最後に連絡があって。最後まで競っていたらしく“ギリギリ合格しました”って。合格してから映画のことを聞いたんですが、イオンさんの全国約70館で公開されるような大規模なものだとは知らなかったので、“ワーオ!”って驚いたのが最初の感想でした」
涼邑芹「ユニットはセルフプロデュースで、衣装も、振り付けも、作詞も自分たちでやると聞いて、これはもうやるしかない、このチャンスを逃したらすごく後悔すると思ったので、“絶対にやりたい!”という熱意は伝えました。私は割とゴーイング・マイウェイな感じなので(笑)、“これが涼邑芹です!っていうのを、その場でできる限りのことは出せたかなって。ダンスが好きで経験もあったので、そこは無茶苦茶押しました、“振り付けを絶対にやりたいです!私じゃないと!”って声を大にして言いました。映画については後から聞いたんですが、そういうことをプレッシャーに感じるより楽しみに感じるほうですね。楽しみが8割、ちょっと不安が2割と言う感じでした」
森下舞桜「新しいユニットができるということを聞いたとき、私には仮面女子がすべてだったので、このドキュメンタリー映画を撮ることで、仮面女子にいい影響が与えられるんじゃないかと思ってオーディションに挑戦しました。そしてオーディション中にイオンシネマさんで公開されるという重大なことを聞いて、絶対にやりたいって思いました。そして自分たちでプロデュースができると聞いて、これは仮面女子とは別に、自分たちの良さを出せるいい機会なのかなと思いました。ドキュメンタリーっていい部分も悪い部分も出てしまうじゃないですか? だからkiraboshiの映画なんですが、仮面女子の裏側も出るので、このユニットが良ければ、大元の仮面女子に行きつくのかなと思って」
――昨年ユニットがお披露目されたとき、「映画の撮影で思ったことを口に出してみたら、胸のつかえが取れた」と語っていたんですが、映画の撮影はどんな感じで進んでいたのかなと。
木下「映画の撮影中、考えを聞かれることが多かったので、どうしたら自分の考えが正しく伝えられるかなって、すごく考えながらしゃべっていた気がします。でも言った後に、“これめっちゃイメージダウンやん!”って思ったことはありますね(苦笑)。でもそういう部分を使われるのがドキュメンタリーなんだろうなっていうのは学びでした。予告編を観たら、気を抜いてるときとか、ありのままを写されてしまってましたね。だんだん顔を作らなくなっていくんですよ、自分やべえ顔してるなって。気持ちが殺伐としていたので、マスクがあったので助かりました」
涼邑「口に出してみて、自分ってこう思ってたんだって、改めて自分を知ることができました。普段は仮面女子はなかなか個を出す機会がないんですけど、今回は3人の密着なので思いっきり個が出ていますね。私は取り繕うことが出来ないので普段の姿が出てると思います。ずっと撮られ続けていると素が出るというか、言葉がスラスラ出てきた感じです。でもこの5ヵ月間で考え方が変わっていったので、はじめのほうで何を言ってるかが怖くて(笑)。そのぐらいめっちゃ濃い期間でした」
森下「私、人の話を聞くのは得意なんですけど、自分の話をするのが本当に苦手で。だから今回のドキュメンタリーを観てイメージが変わる人も多いと思うんです。でも、自分の想いを伝えることで、スッキリできて、嫌なことも切り替えることができたので、いい機会をいただけたなと思っています。新しい自分を見てもらえる感じがするので、これからが楽しみです」
――ユニットが出来たとき「この3人で良かった」と口をそろえていましたが、
木下「仮面女子候補生、スライムガールズと、ずっと一緒にライブをしてきた3人だし、わりかし年も近い。だからkiraboshiを作り上げるにあたって提案もしやすかったですね。すごく上の先輩がいると気を遣うし、後輩がいると引っ張っていかなきゃっていうプレッシャーが生まれたと思うので。この3人だからよかったのかなと思います」
涼邑「普段から悩み事や何かあったらすぐに話せるメンバーで、私にとって心のよりどころでもある大切なメンバー。今回、ドキュメントだから意見がぶつかるところも撮るじゃないですか? そういうところも何も考えずにそのままの自分で行けるなって、安心しました。この3人じゃなきゃ、自分が納得できて、心から楽しいって思えるようなものは出来なかったかもしれない」
森下「メンバーがこの3人に決まったときめちゃくちゃ嬉しくて! 心を開けるメンバーだったのでやりやすかったですし、二人はちゃんとやるときとふざけるときの切り替えがしっかりできるメンバーなので、一緒にいて自分も相乗効果みたいな感じで、いいエキスをもらいました。二人は私の言葉を読み取ってくれるんですよ。周りのメンバーは“え? 何言ってるの?”って感じなんですけど、二人は特にツッコミもせず普通に会話を続けてくれるので(笑)。家族のようなメンバーです」
――すごく絆を感じる3人なんですけど、お互いにどんな人なのか紹介してもらえますか? まずは木下さんについて。
涼邑「一見クールで、頭の回転も速いし、仮面女子でも重要な人物として重宝されているんですけど…」
木下「絶滅危惧種みたいに言わないで(笑)」
涼邑「話すときは年相応になるというか。お姉ちゃんの誕生日プレゼントの話してたり、可愛いです。たまにすっごい面白いことを言ったり、すごくワールドが凄くあるので面白い。そしてやっぱりクリエイターですね。ラップの歌詞も、読めば読むほど、噛めば噛むほど味の出るスルメみたいな。私、今22歳なんですけど、18歳だよね? 18歳のころの私の辞書にそんな言葉はない、みたいなことばっかり知っていて。物知りですし、表現の引き出しも多いし、尊敬してます!」
森下「友里ちゃんはめちゃめちゃ頭の回転が速いし、リーダー的存在で、言うべきことも言えるし、私にとっての“辞書”みたいな感じ。分からないことは全部教えてくれるし、表現も幅広くてかっこいいなっていつも思います。一緒にいる時間が長いから、私のことも知っていてくれていると思うので、めちゃめちゃ尊敬しています」
涼邑「舞桜ちゃんの通訳ですね(笑)。舞桜ちゃんは通常運転で何を言ってるか分からないので友里ちゃんが通訳してくれる(笑)」
木下「ビシーッ!とか擬音が多いので(笑)」
森下「それを翻訳できちゃう」
――続いて涼邑さんについてお願いします。
木下「芹は少年漫画みたいな人で、すごく熱くて主人公気質。感情を伝えるのは苦手って言うけど、顔や行動に出やすいし、思ったらすぐに動けるから、私にはそんなに瞬発力が無いのでうらやましいなって思います。あと背が高くて、ラップもいかつくやってくれるので、スパイスというかいい味を出してくれます。kiraboshiのなかでも一人パンツスタイルで、締まるなぁと」
森下「芹は正義感が強くて、情熱的な人。しゃべるときの声量も隣で耳が破裂するんじゃないかっていうくらいデカいし(笑)。ほんとにユニットの大仏じゃないかっていうくらい」
涼邑「大仏?(笑)」
森下「そのぐらい存在感があるんですよ、kiraboshiにしても仮面女子にしても、芹がいなかったら“なんかたりねえなぁ”って思うぐらい、いなきゃいけない存在だと思います。そして芹にもなんでも話せるんですよね」
――それでは森下さんについて。
木下「実は一番感情が見えにくいメンバーだなって思うんです。思っていることは強くてしっかりしているけど、あまり前に出さないで引いちゃうから“もったいねえなぁ”って感じ。尊敬している部分はスポンジみたいな吸収力。先生に教えてもらったこともすぐに吸収して離さないからスキルアップが速い。そして、ライブ中にすごくいい顔するなあって思う。赤仮面をつけてカッコつけているとすごくカッコいいんですけど、気を抜くとダメだな(笑)。綺麗にもカッコよくもなれる、変幻自在だから、いろんなことにチャレンジできると思う」
涼邑「まおぴ(森下)はすごく器がデカいですね。こんなに性格のいい人間に初めてであったという感じ。おかしいという意味でも、普通の人とは違うんですよね。寛大すぎる。心が太平洋並みに広くて」
木下「まあいいか、で済ませられる」
涼邑「普通ならイラっとするときでも、まぁそういうこともあるよね、みたいに本当に怒らない、怒っているところを見たことがない。優し過ぎるがゆえに自分を殺しちゃうときが多いので、もっと“我ここにあり!”っていうのを出してもいいんじゃないかなって。ため込んでストレスになってないか心配です」
――そしてこの3人でついに本格的に始動するkiraboshiのオリジナル曲『星の降る夜』についての想いを聞かせてください。
木下「私はラップ部分の作詞をさせていただきました。最初ラップの部分に違う歌詞が当てられていて、それもすごくいい歌詞だったんですが、もっと自分たちを表せる歌詞にしたいって思いながら書きました。“変わりたいね”という歌詞があるんですけど、それは自分たちが話し合っていた時に、私の中に残った言葉だったんです。かつて2年ぐらい仮面女子が停滞している時期があって、ワンマンライブも新曲も無くて、ずっと毎日同じことの繰り返しみたいな。それで、3人で事務所に直談判しに行って…」
涼邑「懐かしい〜」
木下「なんでアルバムを出してくれないんですか! 新曲を出してくれないんですか!って言いに行って。そのときは具体策が何も見つからず、“変わりたいね”と言っていても何も動かなくて、自分たちだけじゃ変われないというのは分かっていたんです。でも後々アルバムリリースが決まって、曲もどんどん増えて行って…。最初から決まっていたことなのかもしれないんですが、自分たちで動けたことに意味があったかなって。いい機会だからと思って歌詞に組み込みました」
涼邑「友里ちゃんが作詞してくれたラップの歌詞は、本当に今の等身大の私たちを丸ごと投影してくれていて、グッときました。最後に“そばにいてくれてありがとう”って歌詞があるんですけど、そこで二人に向けて歌うと気持ちがガッと入るんです。それはメンバーに対してでも、お客さんに対してでも、いろんな人にあてはめられる歌詞なんですけど、私は二人に向けて歌っています」
森下「ラップ以外の歌詞は、コロナ禍の今を私たちが星になって照らしたいという想いがある歌詞なんですけど、友里ちゃんのラップの歌詞は、光と影で言えば影のほうから入って、私たちの想いを全部伝えてくれているので表現しやすかったです。ライブパフォーマンスで言えば、芹がダンスを考えてくれて、3人だけでしか見せられないパフォーマンスや表現ができています」
――涼邑さんはどのようにダンスを作ったんですか。
涼邑「最初、一人で考えているときは本当にアイデアが出てこなくて。振りは出来ても、これじゃいやだって、動画を撮ってはボツを繰り返していたんです。でも二人が一緒に考えてくれたらするすると出てきて。仲間の力って偉大だなって思いました」
――森下さんが中心になった衣装も仮面女子とは全く違った方向性ですね。
森下「ベースはかっちりしたスーツスタイルで決まっていて、元々3人共パンツスタイルの予定だったんです。でも仮面女子とは変えたかったので、私はキュロット、友里ちゃんはロングスカートって個性に合わせたスタイルを重視しました。そしてkiraboshiという名前なので、イヤリングや手袋に星のモチーフを入れたり、細かいところまでこだわれたました。3人でのミーティングはめちゃくちゃ楽しかったです! 初めて衣装に対して自分たちの想いを伝えて実現できたので、嬉しかったです」
――では2月26日に迫った公開に向けて、作品についての想いとメッセージをお願いします。
木下「地下アイドルが映画になるって初めて聞くんですけど、あまり見られないアイドルの裏側を見せられる作品になっているので、私たちのことを知らない人にもぜひ観てほしいなって思います。本分はライブアイドルなので、私たちのことを知ってくださったら、映画だけじゃなくてライブにも足を運んでいただきたいです」
涼邑「約5ヵ月間と言う長い期間密着していただいたので、素の私たちが全部映っているというか、普段見せないところまで全部見ていただけると思います。全国約70館のイオンシネマさんで上映していただけるので、“この映画なんだろう?”ってちょっとでも興味を持ったら観ていただきたいと思います。こういう人間もいるんだよって、人の裏側を見てもらえると思います。そして私個人としては、これをお芝居の仕事に繋げていきたいなって思います」
森下「5ヵ月間と言う長い期間撮ってきたものが、74分の作品にまとめられたということで、どんなふうに構成されているか楽しみですし、もう一回自分を見つめ直すことができるので、特別な作品になりそうだなって思っています。コロナ禍で暗い世の中を、明るく照らしていきたいという想いで作られたユニットなので、観ていただいた人に少しでも元気を与えられたらいいなって思います」」
◆映画『今は、進め。』
2021年2月26日(金)から全国イオンシネマにて上映
専用劇場で年間を通じて熱いライブを行い、“最強の地下アイドル”と呼ばれる仮面女子。しかしコロナのために、ファンと彼女たちをつなぐ、ライブという絶対的聖地を無くしてしまう。そんな中、新たなユニット誕生のチャンスが訪れた。コロナが生活を一変させる中、彼女たちは、いったい何に悩み、何を乗り越えるのか? そして乗り越えた先に見える光とは……?
本作では、ユニットオーディションから結成、オリジナル楽曲が出来るまでに密着したドキュメンタリー。約5ヵ月もの間、揺れる心に寄り添い、赤裸々に撮影を実施。映画の後半では、彼女たちが歌うオリジナル楽曲も披露される。不安な思いを乗り越えた彼女たちの歌声は必ず心に響くはず。ただのアイドルドキュメンタリーではない、人間に密着したドキュメンタリーとなっている。映画の後半では、彼女たちが歌うオリジナル楽曲も披露。主演は、仮面女子の中から、オーディションで選ばれた、森下舞桜・涼邑芹・木下友里が務める。もちろん、他の仮面女子メンバーも出演。12月に実施される仮面女子ライブの模様も盛り込まれている。同時上映は正統派アイドルユニット・スリジエのセンター、山本あこが主演を務める『忘れられた神様』。