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2021/01/20 19:30
『ウチカレ』イケメン整体師で注目の東啓介、初の連続ドラマ出演にかける想いを告白「人生のターニングポイントになるだろうなと」
日本テレビ系1月期ドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(毎週水曜 よる10:00〜)で、イケメン整体師・渉周一役で出演し、注目を集めている東啓介。身長190cmの長身と圧倒的歌唱力を武器に、舞台やミュージカルを中心に活躍してきた東が、オーディションサイト『デビュー』のインタビューに応じ、初の連続ドラマにかける想いを告白。ドラマの見どころはもちろん、舞台と映像作品での芝居の違い・難しさ、演じる役との共通点、さらに、新たな挑戦に挑む2021年の抱負も聞いた。
【東啓介インタビュー】
◆「映像・舞台、どちらでも活躍できる役者になりたいし、この作品は人生のターニングポイントになるんだろうなと…」
――主に舞台やミュージカルを中心に活動してきた中で、連続ドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』に出演が決まったときは、どのように感じましたか?
【東啓介】「本当に嬉しかったです。というのも、今回の出演は脚本の北川悦吏子さんが、僕が出演していた2019年夏の中村雅俊さん45thアニバーサリー公演を観劇されていたことがきっかけだったので。そこで見出していただき、僕のことを書きたいと言ってくださった。まだまだ知名度もなく、映像の経験もない僕が本当に出られるのだろうか?と不安に思うこともありつつ、叶って欲しいなと願っていたので、実現したときは本当に感動しました。北川さんをはじめ、起用してくださった関係者、スタッフの方たちに恩返しができればと思いながら現場に入りました」
――以前、映像作品の現場で悔しい思いをしたと言っていましたが。
【東啓介】「はい。舞台で経験を積んできて、主役も経験し、大きな作品で2番手、3番手もやらせてもらえるようになっていたのですが、映像の現場では僕と同世代の人たちが活躍していて。僕はそのときにセリフが2、3個というポジションだったので、もっと自分も前に出たい!という思いが強くなりました。でも、どうすればそこで戦えるのかも、よくわからない。歌を武器にして、自分なりに磨いて努力もしてきたし、このまま舞台でも頑張っていきたいけれど、一方で映像の現場でも経験を積みたい。できることなら、どちらでも活躍できる役者になりたいと思っていたときだったので、この作品は人生のターニングポイントになるんだろうなという気持ちでいます。現場で失敗することもあるだろうけれど、不慣れでも自分なりに精一杯ついていくつもりです」
――映像の現場で感じた戸惑いや気づきというのは?
【東啓介】「今まで、少しだけの出番だとしても経験がゼロではないのは大きかったです。まったくの初めてという状態だったら、もっと苦戦していたんじゃないかな。レッスンだけではわからない、現場での流れ、キャストとの掛け合い次第で撮られ方というのは変わってくる。自分だけがよく撮られようとしても、それは成立しないことだから。大先輩の芝居を近くで見ていて、画角を超えたお芝居が逆に生きてくるんだなという経験もありました」
◆「趣味のカメラが意外と役に立っている」
――画角というのは、舞台ではあまり意識しないですよね。
【東啓介】「そうですね。僕が趣味でカメラをやっていたので、そこが意外と役に立っているんです。現場のカメラマンさんが『85持ってきて』と言っていたら、いまは結構寄って撮っているんだなってわかる。レンズの種類なんですけどね。そこが自分の芝居に影響するかどうかはさておき、画角のサイズ感はイメージできるので」
――映像の現場での、細切れに撮っていくことや、シーンを繰り返し撮ることについて、難しいなと感じることはありますか?
【東啓介】「そこは意外と大丈夫です。舞台の稽古でも、“じゃあ、何行目から”という感じで細かく区切って芝居をすることはあるし、同じ芝居を繰り返しすることに対しても、特に戸惑いはない。ただ、舞台の稽古では、繰り返すときに前とは違う芝居をしなければと考えてしまう。でも、ドラマだと繋がりがあるので、まったく同じ芝居を求められたりする。そこで、違う芝居をしそうな自分を抑制しなければ……というのはありますね(笑)。
想いの伝え方など、例えば舞台では体をしっかり動かすとか、自分が動くことで距離感を表現する必要がありますが、ドラマだとカメラで寄ってくれるから、そこは気にせずできる。だから僕は、想いを素直に伝えればいいのかなって。監督のディレクションに応えていくのも、今のところはスムーズに出来ていると思うので、舞台でいろいろ経験してきて良かったなと思いました」
――監督や演出家によっても違うとは思うのですが、東さんが感じた、映像と舞台の違いというのは?
【東啓介】「反応ですね。重複しますが、気づくという芝居にしても、舞台だと全身で表現しますが、映像だと目だけの表現だったりする。最初は“難しい!”って思いましたけど、コミカルなシーンは舞台っぽくやってもOKが出るんです。頭をぶつけて、靴箱倒すっていうシーンも、思いっきりやっちゃったほうが画的におもしろいなと。逆に会話のシーンではあまり動かないほうがいいんだなとか、モニターを観て反省することも多くて。
普通に話していたつもりでも、モニターでチェックをしたらカメラさんが僕の動きに合わせて動いてくれていたりするので、“あ、自分、いま少し動きすぎたかな”と。普段、普通にやっている動作でもカメラを通すと、ちょっと落ち着きなく見えることもあれば、ぎこちなかったかなと思っても、逆にいい感じに見えたりする。イメージと違っていたところを修正しながら勉強しているんですが、とても興味深いし、おもしろいですね。こうやって映っているのかぁと、日々、現場がとても楽しいです」
――東さんが思う、ドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』のおもしろさとは?
【東啓介】「現代的なワードがいろいろ出てきて親近感が持てるというのもありますし、いろんな人間関係が展開されていくところですね。母と娘、編集者と作家、幼馴染など。個々のキャラクターの個性も際立っていて、とても観やすい作品だと思います。恋愛要素もありますが、がっつりと直球の恋愛だけじゃない。想いが通じる前の微妙な関係性とか、もどかしいところがいいんですよね。想いをストレートにぶつけるド直球な恋愛ドラマもいいですが、探り合いのジレンマみたいなのも、観ていてドキドキする。ヒューマンドラマといった印象です」
――“イケメン整体師”という役柄も、ありそうでなさそうなポジションですね。
【東啓介】「自分でそのワードを言うのはとても恥ずかしいのですが(笑)、職業が整体師というだけです。ずっと仕事の場面ってわけではないのですが、施術シーンもあるので、やり方も事前に習いました。しかも院長なんですよ。めちゃくちゃ腕がいいという設定です」
――キャラクターとしては?
【東啓介】「まっすぐで純粋、真面目がゆえにちょっと抜けている。“そこ!?”ってツッコミたくなるような愛らしい人物です。いい意味での、気になるギャップなのかな?」
◆「僕自身も抜けている部分はかなりあります」
――これまでもいろんな現場で身長を聞かれていたと思いますが、今回も?
【東啓介】「はい。『大きいね、何cm?』『190cmあります』がワンパッケージです。台本に出てくる通りですね。たぶん、そこは当て書きだと思います」
――ということは、先程の“まっすぐで純粋、真面目がゆえにちょっと抜けている”というのも、当たっている?
【東啓介】「抜けている部分はかなりあります。僕、忘れ物が激しくて、すぐ声に出ちゃうんです。『あ〜忘れた!』って。外出してすぐに『あっ、イヤホン忘れた!』と家に取りに戻ったら、今度は持っていたバッグを置いてきたりする。背が大きい人あるあるで言うと、電車に飛び乗ったときに頭をぶつけるとか。そういうのはしょっちゅうです。話している途中で意識が別のところいってしまい、『えっ、何だっけ?』となることも」
――仕事ではいつもしっかりしている印象ですが(笑)。これまでにプレッシャーに感じた、あるいは今後のシーンで感じている場面はありますか?
【東啓介】「1話での、浜辺美波さんが演じる空と出会うシーンはすごく緊張しました。『メガネゆがんでいるよ』と言って直したら手が当たってしまい、空がパッと離すというシーンなんですが、自然に直してあげる仕草は難しかったです。よりナチュラルに見えるよう、意識を集中して演じました」
――最後に、2020年の振り返りからの、2021年はどのような1年にしたいかを教えてください。
【東啓介】「1年前の今頃は、いろいろと楽しみな作品が決まっていて、意気揚々としていたんです。でも状況がガラリと変わり、次々と予定していた作品がなくなっていった。『ジャージー・ボーイズ』がコンサートとしてできると喜んでいたら、尊敬する人が亡くなって激しく落ち込むなど、高低差がとても激しく、精神的に消耗した年でした。そんななかで、年末には、そんな素晴らしい先輩たちがやってきたこと、与えてくれたものを思い返して、彼らを目標としていこうと思い直したところでドラマが始まったので、個人的には再スタートの年だなと感じているんです。もっと活躍の場を広げたいという気持ちも強くなりましたし、ひとつひとつの作品や役を大事に、精一杯演じていきたいです」
【プロフィール】
東啓介(ひがし・けいすけ)●1995年7月14日生まれ、東京都出身。2013年俳優デビュー。その後、舞台を中心に活躍。近年の主な出演作は、舞台『命売ります』主演、New Musical『Color of Life』主演、ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』、ミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド 〜汚れなき瞳〜』、ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン・コンサートなど。2021年春に上演される、ブロードウェイミュージカル『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』への出演も控える。
取材・文/根岸聖子