ニュース
2020/03/05 07:41
仕事論が話題のグラドル・倉持由香に聞く“チャンスをつかむ秘訣” 「『自分クエスト』をクリアするために、勇気を出してフィールドに一歩を踏み出してほしいです」
これまで様々な新人募集を掲載し、数多くのスターを輩出してきたオーディション情報サイト『デビュー』が、『デビュー』特別オーディション出身者や、元読者である“デビューっ子”が所属している芸能プロダクションとタッグを組んだ新人募集企画“デビューっ子”コラボオーディションを実施中。そこで、現在募集中の「G-STAR.PRO」に所属している、“デビューっ子”倉持由香にインタビュー。自身がプロデュースを手掛ける女子ゲーミングーチーム「G-STAR Gaming」のメンバーをデビュー読者から多数採用し、育てる側の視点を持つ倉持が、芸能界にチャレンジしようと思っている人にとって大切な事、そして現在所属するG-STAR.PROという事務所について語ってくれた。
■倉持由香インタビュー
――倉持さんは芸能界を目指し始めた時、オーディション情報誌『月刊デ☆ビュー』の読者だったんですよね。
「13歳の頃によく読んでいました。実際にデビューに載っていたオーディション情報を見て、付録のオーディション用紙に書き込んで、実家の前で“写ルンです”とかで撮った写真を貼って応募して…。それがこの仕事を始めたきっかけなんです」
――その頃はどんなことを履歴書に書いてアピールしていたんですか?
「漫画やアニメが大好きだったので、こんな漫画が好きです! 今期はこのアニメを見ています! 声優さんはこの人が好きです!ってびっしり書いてたと思います。今はゲームやアニメの仕事って多いんですけど、その頃はそんなにオタク系タレントはいなくて…それなのにずっとそうやってアピールしてました。とにかく人と違うことを書こうと思っていたんです」
――デビュー後に長い下積み時代を経験しながらも、SNSを駆使した自己プロデュースで道を切り拓き、「グラビアで稼いでタワーマンションを購入する」という夢も実現。新たにeスポーツの世界へと活動の幅を広げています。倉持さんがここまで続けて来れた原動力はなんですか?
「“この仕事で食って行かなきゃ死ぬ”っていう覚悟はあったからですかね。この業界って、めちゃくちゃ貧乏か、お金持ちの子が趣味的にやっているか、その二極化だったりするんです。でもハングリー精神のある子のほうが、結果仕事頑張ってるなっていう気がします。余裕がある子は、一つ一つの仕事に対しての真面目さが足りなかったりして、自分の仕事を告知しなかったりするんです。ハングリー精神のある子なら、どんな仕事でも告知をしっかりするし、次に繋げようとする」
――それって、この世界では実はとても大事なことですよね。
「一つ一つの仕事を大切にして、寝る時間を削ってでも自分のPRをしようと思ってきました。自分自身は、小・中・高・大と不登校で、中退するし、自動車学校も5回で辞めちゃうし…マジでダメ人間なんですけど(笑)、この仕事ならできると思ったから。“この仕事で生きて行こう”と決めたことに対して、どれだけまっすぐに突き進めるかだと思います」
――今こうして取材をしたり、一緒にオーディションを行ったりするようになったのも、実際に倉持さん自身が「デビューの読者でした!」とツイッターで絡んでくれたことがきっかけなんですよね。
「何がきっかけで仕事になるかは分からないですし、人と人とが仕事の繋がりを作っているので、人間関係を大事にすることと、どんなとっかかりも見逃さないということは心掛けています。どんなきっかけでも、“お、この子気になるな…また会いたいな…”って思わせる存在になりたいです」
――そんな倉持さんが、昨年女子ゲーミングチーム「G-STAR.Gaming」のオーディションをデビューで行って、ついに“デビューっ子”が“デビューっ子”を発掘し、育てる時代になりました!
「デビューから応募してくれた子たちが順調に仕事をしていて、いい感じです! 最近もチームでゲーム番組の収録があったり、個人でもMCアシスタントの仕事をいただいています。ゲームに限らず、メンバーの夏乃さやかちゃんが美術館巡りのWEBのお仕事をしたり、日向はなちゃんと藤井えるちゃんが『SPA!』のグラビアに登場したり、ほかにも雑誌が決まっている子もいます。ゲーマーとして事務所に入ったんですが、一人のタレントとしてそれぞれ活動しているので、グラビアやタレント方面、演技の方面など、その子のやりたいことに合わせて、それぞれの道を作って行けたらと思っています」
――事務所側のサポート体制はいかがですか?
「めちゃくちゃサポートしてくれています! まず事務所の一エリアをゲーミングスタジオに改装するっていうこと自体、よっぽどゲームに力を入れて取り組んでいこうとしてくれているんだなって感じます。eスポーツチームとしてのユニフォームを揃えたり、カッコいいPVを作っていただくのにもお金が掛かるんですが、先行投資してくださって。私自身も夫(プロゲーマーのふ〜ど氏)と結婚して、eスポーツ系のお仕事が増えたので、これからますます事務所のバックアップに応えていきたいです」
――倉持さんがプロデューサーとして事務所を動かしたのは凄いと思います。ただし会社を動かすためには明確なビジョンが大事ですよね。
「説得力がないとダメですね。あやふやにあれやりたいこれやりたいと言っても、相手は大人ですし、ビジネスなので、なんでもOKしてくれるわけじゃない。今はこういう現状なので、こういうことをしたくて、こういう数字が出てるので有効だと思います、とか。理論立てて説明して、説得力のあるプレゼンをしたら、やりたいことはやらせてくれるし、すごく理解のある事務所だと思います」
――デビューの読者には、事務所に入りさえすれば、何でもお膳立てしてくれると思っている人も多いと思います。
「そんなことはない!です(笑)。ウチの事務所は、上ってきたらバックアップしてくれる。何もわからない子を、一からすべて丁寧に売れるまで全部やってくれるかと言うと、割とそうではなくて、実力主義。“事務所に入ったら売れるんでしょ?”みたいな態度で、お仕事が来るまで口をパクパク開けて待っているお魚になってはいけないよって、後輩たちにも言っています。絶対にこの仕事で売れてやる、食っていけるようになる、私がこの仕事をするんだって、自分から仕事を獲りに行けるぐらいの気合を持った子に来てほしいですね」
――そういう姿勢の持ち主を事務所も待っていると。
「可愛い子やカッコいい子は、芸能界を目指している子のなかには本当に腐るほどいるんです。そして大きな仕事にたどり着くには事務所内の競争もありますし。そこで勝つためには必要なのはやっぱりやる気なんですよね。そういう子はマネージャーも好きですから。“マネージャーが仕事を持ってきてくれないから私ヒマ!”みたいにグチグチ言ってるより、“自分はここがダメでしょうか?”とか“自分はここを伸ばせばいいでしょうか?”とか、マネージャーと共に、私頑張ります、売れますよっていう気合を見せてくれたほうがいい」
――人と人が仕事の繋がりを作っているという話に通じるわけですね。
「カードゲームに例えたら、マネージャーが常にメインデッキに入れたくなる“キラカード”になるべきだと。マネージャーがいろんなお仕事の“デュエル”の場に行って、ここぞという時に“このカード!!”って切る手札になったほうがよくて。そのためには引き出しを多くするなど、自分自身ができる努力ってたくさんあると思うんです。何でもマネージャーに任せきりにしないで、自分で自分の能力を磨いていけることが、これからのタレントには必要なのかなと思います」
◆「カメラマンさんのアドバイスで、コンプレックスだったお尻を前面に押し出したことがブレイクのきっかけ」
――倉持さんは“100センチのヒップ”を武器にグラビア界で「尻職人」というポジションを手に入れました。そんなふうに自分の強みはどうやって見つけたらいいんですか?
「メモに書き出すのもいいと思います。自分自身で分からなかったら、お母さんでもお父さんでも、いろんな人に“私ってどんなところがいいところかな”、みたいな感じで聞いてみる。私もカメラマンさんのアドバイスで、コンプレックスだったお尻を前面に押し出したことがブレイクのきっかけだったので。自分自身の“この人と言ったら〇〇”というものを探してからオーディションに臨めるといいと思います」
――客観的な視点で自分を見つめることが大事なんですね。
「自分というゲームの主人公はどんなスキルを持っているのか? どんな呪文を撃てるのか? 今ステータス値はどうなっているのか? レベルはいくつなのか? どんな職業なのか… そうやって客観視していくことが大事だと思います。自分のパラメーターが分かれば、自分をプレゼンしやすいと思うんです。私はこういうスキルを持っているので、こういうダンジョンに役立ちますよ、こんなボス戦の時、私をパーティーに入れてください、みたいな感じで。どんな仕事にも適材適所がありますから」
――ロールプレイングゲームに例えると分かりやすいですね。
「自分がゲームのコントローラーを持って、俯瞰の視点で、第3者視点で物事を見ることって大事だと思います。夢を追う仕事って、一人称視点だと、周りが見えなくなって、すごく年をとってまでずっと追い続けちゃって、取り返しがつかないことになっちゃうんです。いくら自分が女優のお仕事をしたいからといって、客観的に見て演技スキルが全然足りていなかったら、今は絶対に別の道に行ったほうがいい。『おお しんでしまうとは なさけない』と何回言われても、レベルが上がっていなかったら絶対に倒せないですよ。そういう調整になっているんだから。だから、そのボスを倒せるようなレベルになるまでレベル上げをするのか、別のダンジョンに行くのか、パーティー編成を変えるのか…自分がどうしたらこのゲームをクリアできるんだろうっていうことを考えて動くのが大事だと思います。『人生クエスト』なんで、リセットはできないし、セーブ地点からやり直しもできないんですけどね(笑)」
――『G-STAR.Gaming』のオーディションの際には、倉持さん自身が審査をしたわけですが、どんなところを重視しましたか。
「まず、すごく基本的なことで、遅刻をしない、バックレない、時間を守る、挨拶ができる、そういうことはやっぱり大事だなって思いました。書類で観た時に、めっちゃこの子いいじゃん!って思ってもバックレちゃったり、書面だと分かんないなぁという事もありましたね」
――選ばれたメンバーは出自も様々で、いろんなスキルを持った子がいます。
「できるだけ多くの子に会って、絵が描けます、ゲームが上手い、現役JKです、薬剤師やってますとか、いろんなタイプの子を選びました。オーディションのときは正直普通の学生さんかな、と思っていた夏乃さやかちゃんは、めちゃくちゃSNSの使い方が上手くて。実際活動してみて分かった嬉しい誤算もありました。夏乃ちゃんには、先日ハワイ挙式の間留守を守ってもらうように頼んでました。すごく真面目なので、これは信用できるなって思って(笑)」
――所属タレントから見て「G-STAR.PRO」はどんな事務所ですか?
「基本みんな仲がいい、ほんわかした事務所だと思います。でも、仕事に対して真面目に取り組めるか、向上心のある子かどうかを見ていくシビアな目もあります。女性タレントの部として見ると、私は佐山彩香ちゃんがいたからこの事務所に入ったんですが、私と彩香ちゃんはだいぶタイプが違っていて。彩香ちゃんはリア充的なキラキラ女子なんですが、私はだいぶ陰キャなので(笑)。でも私が入ってからは陰キャ女子が増えたので、どっちでも対応できます。キラキラしたモデル系、ファッション系のお仕事がしたい子も増えていますし、私みたいにインドア系でゲーム、漫画系の仕事がしたい子もバッチコイです!」
――今後応募して来てほしい人はどんな人ですか?
「今までいないタイプの子がいてもいいのかなと思います。私の周りは陰キャが多いんですけど、これからはオリンピックに向けて、スポーツができたら強いのかなと。そういうアクティブな子がいてもいいだろうし、とにかく“私、これは負けません”っていう武器で戦える子が欲しいなって思います」
――応募書類でアピール不足の人も多いですけど、もったいないですよね。
「自分ではこれを武器だと思っていないんですけど…っていうのが結構多くて。トップレベルと比べようとする子がいるんですよ。“ピアノが上手いです…でもプロではないから”という子もいるんですけど、普通の人より秀でていればアピールしていいと思います。すごく早口言葉が上手い、でも、これくだらないよな…ぐらいのことでも書いてほしいです。何が仕事になるか分からない、言ったらなんでも仕事になる時代なので、なるべく自己PR欄はしっかり埋めてほしいです」
――今回のオーディションに応募しようかどうか考えている人にエールをもらえますか。
「応募するのって、勇気が要ることだと思います。でも自分のやりたい夢があるのに、ずっと同じ、敵の出ない平和な街の中でぐるぐるしてても何も物語が進まないので、勇気を振り絞って、フィールドに出てみてほしいですね。もしかしたらスライムが現れて戦うかも知れないし。急に強いやつが出てきてダメージを追っちゃうかもしれませんけど、街の外に出ないと何も始まらない。勇気を出して一歩踏み出してほしいです」
「中村優一・倉持由香ら先輩スターに続け!G-STAR.PROדデビューっ子”コラボオーディション」はオーディション情報サイト「デビュー」に掲載されている。
倉持由香(くらもち・ゆか)●1991年11月6日生まれ、千葉県出身。G-STAR.PRO所属。“#グラドル自画撮り部”を立ち上げ、部長としてSNSにムーブメントを巻き起こし、『尻職人』の異名でグラビアやバラエティで存在感を見せる。アニメやゲーム、漫画のほか、競馬、麻雀など多彩な興味と貪欲な探求心で、多岐にわたるジャンルにおいてセルフプロデュース能力を発揮。その経験を活かしたビジネス書『グラビアアイドルの仕事論』(星海社新書)を上梓、悲願のタワーマンションを購入して話題をまくなどマルチに活躍。2019年より女子ゲーミングーチーム「G-STAR Gaming」をプロデュース。2020年にはプロゲーマー・ふ〜ど氏と結婚。eスポーツの分野に活動の幅を広げている。