1970年代に放送されていたテレビアニメを原作とした、LIVEミュージカル演劇『チャージマン研!』が31日、東京・新宿FACEで開幕。初日公演に先立ち公開ゲネプロが行われ、キャスト陣が意気込みを語った。

　1974年にテレビ放送され、理不尽過ぎるナナメ上の“超展開”が再評価されている話題のアニメ『チャージマン研』を舞台化。物語の舞台は、2074年、科学が飛躍的に発展した未来都市。主人公・泉研がチャージマンに変装し、地球侵略を目論むジュラル星人の脅威から地球を守るために奮闘する姿を描く。近年、そのシュールすぎる設定やツッコミどころ満載な展開が話題となり、ネット上のブームや人気バラエティ番組でも取り上げられて再注目されている。

　ゲネプロ前には、主人公の泉研／チャージマン研役の古谷大和・安達勇人・高崎俊吾・中村誠治郎、泉キャロン役の星元裕月、バリカン役の阿部快征、ジュラル星人役の浜ロン、魔王役の村上幸平が初日挨拶に登場。

　古谷は「ようやく本番を迎えられることがとても楽しみ」と述べ、「たくさんの人に愛された作品を、素晴らしい演者とスタッフさんに囲まれながら、僕自身、、とても興奮して稽古をしてきました。本番、みなさんに届けられるのが楽しみです！」と意気込む。安達も「この円形の会場が、一体感が生まれそうな気がして、LIVEミュージカル演劇の名に相応しいなと。老若男女問わず、楽しんでいただきたい作品ですし、みんなで一緒に盛り上がる演出もあるので、楽しみに来てもらえたら嬉しいです」とアピール。

　高崎は「『チャージマン研』の原作をとてもリスペクトしていて、リスペクトしているが故の演出や演技というものを煮詰めてきました。なので、たくさんの方々に楽しんでいただきたいです」と語ると、中村も「新しいジャンルの舞台なので、お客さんが入ってやっと完成するような作品だと思う。お客さんと一体化した素晴らしい舞台になるよう、千秋楽までどんどん上がっていきたいと思います」と決意を新たにした。

　泉研の妹・キャロンを演じる星元は、「デビューして3年経ったのですが、私のキャリアの中で初の女性役ということで、この役が決まってから今日という日を楽しみにしてまいりました」と笑顔を見せる。さらに、今回の会場となっている新宿FACEは、趣味のプロレスで通い慣れた会場だと明かし、「自分がこうして役者として大好きな会場に立てているということがすごく嬉しいですし、感慨深いものがあります。精一杯、千秋楽まで全力で頑張っていきたいです」と声を弾ませた。

　阿部は「ご来場されるお客様が、まだ味わったことのない経験をすると思う舞台なので、ぜひ楽しんでもらいたいです」と語り、「いろんな意味で長く愛され続けているチャージマン研を、忠実に再現して、ガチでやっていきたいと思います」と宣言。

　ジュラル星人のチームリーダーを務める浜ロンは、毎公演キャスト全員の中から、主役の“チャージマン研”役をチャージ（投票）で決める【チャージマンドリーム】企画について触れ、「私はジュラル星人のチーフなんですが、この舞台は、誰でも主役になれる投票システムがあるので、私の手下たちが主役になれるよう輝いてもらえたら。手下たちが輝くように祈っております！」と力強く語る。「経験したことがないくらいのクレイジーな舞台」と語った村上は、「この舞台が果たして受け入れられるのだろうかというドキドキと、もしこれが成功したらすごいことになるんじゃないかというワクワク感でいっぱいです。楽しみたいと思います」と心境を明かした。

　同公演では、初日挨拶に登壇したメインキャストのほか、ジュラル星人役のアンサンブルキャストの一般公募オーディションを実施。一般公募枠で合格した安達雲平をはじめ、オーディションで選出された個性豊かなキャストがジュラル星人となって舞台を盛り上げる。

　会場に入ると、劇中では悪役であるはずのジュラル星人たちが場内や席の案内を丁寧にしてくれるほか、開演15分前からジュラル星人・浜ロンによる前説がスタート。かけ声や原作でお馴染みの楽曲の振付、魔王の言葉に合わせての拍手練習など、同舞台をより楽しむための盛り上がりポイントを教えてくれるため、早めに行くことをオススメする。オープニングでは、原作アニメ『チャージマン研！』の魅力をまとめたVTRが流れるため、原作ファンの人はもちろん、原作をまったく知らないという人でも、チャー研の世界にどっぶりとハマれるだろう。

　本来ならば1人のはずの主人公・泉研を、古谷・安達・高崎・中村の4人が演じることでも話題となっていたが、セリフの言い回しが訛っていたり、アクションシーンで一人だけ殺陣でジュラル星人を倒したり、それぞれの“個性”を活かした表現になっているのも見どころの一つ。

　また、中央のステージのほか、キャストがロビーやステージ裏など4つの場所に分かれて、それぞれの場所で同時進行でパフォーマンスを行う演出も。そのシーンに関しては、観客も席を立ち共に移動して観劇することが可能（人数制限あり）。同舞台は、毎公演ニコ生で無料配信されており、ニコ生のコメントがリアルタイムで劇場内のスクリーンに流れるほか、主役の“チャージマン研”役を毎公演キャスト全員の中から観客のチャージ（投票）で決めるという【チャージマンドリーム】企画を実施（チャージシステムは、ニコニコ動画のギフト機能を使用）。選ばれたキャストは、後半（チャージタイム後）の1つの話で変身後のチャージマン研を演じる。

　ほかの演劇とは違い、観劇中のスマホの使用が可能となっており、チャージマンドリームへの参加や、ニコ生へのコメント書き込み、さらにはスマホによる写真撮影もOK（フラッシュ撮影禁止。動画撮影・音声録音はNG）。LIVEあり、ミュージカルあり、演劇あり、トンデモ展開ありの盛りだくさんな内容とともに、一緒に歌って、踊って、自分なりの楽しみ方で、存分に”チャー研”の舞台を味わっていただきたい。

　LIVEミュージカル演劇『チャージマン研！』は、11月6日（水）まで新宿FACEにて上演。

（C）2019 鈴川鉄久／ICHI／チャージマン研！CLIE

※高崎俊吾の「高」は「はしごだか」、「崎」は「たつさき」が正式表記。