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2019/10/19 18:27
蒼木陣・佐奈宏紀・谷水力らサンミュージックの若手俳優ユニット「SUNPLUS」、待望の第1回公演が開幕
サンミュージックに所属する若手俳優ユニット「SUNPLUS(サンプラス)」の第1回公演「SUMMER BAZAAR 〜夏の終わり〜」が、18日に東京・新宿村LIVEにて開幕。初日公演に先立ち、公開ゲネプロが行われた。
2015年1月に結成され、俳優ユニットとして4年間活動してきたSUNPLUS。蒼木陣、井澤巧麻、佐伯亮、佐奈宏紀、谷水力、野口準、平野宏周、丸山隼、水田達貴、三井理陽、山形匠のメンバー11人だけで作り上げる舞台は今回が初となる。
物語の舞台は海沿いの全寮制男子校。夏休みで生徒たちが続々と実家に帰省する中、寮に居残ったのは明るく軽いノリの秋吉風太(井澤)と控えめな性格の小山内正人(谷水)、クールでモテ男な堀尊(佐奈)と真面目で勉強熱心な脇坂淳之介(佐伯)の2年生4人だけ。同じ2年とはいえ、一緒のクラスでもなければ寮で喋ったこともなかった4人に、実家から通う通学生で同級生の、おしゃべりでお調子者な宮野優平(山形)が加わり、教師・橘陸夫(丸山)の指示で寮の伝統行事「サマー・バザー」の準備をすることになるところから物語は始まる。
最初は距離感のあった寮生4人だったが、寮の冷房が壊れて仕方なく1部屋に集まって過ごすことで徐々に打ち解けていく。そんな中、リアルな男子校の雰囲気を感じることができるのが『男子トーク』。男子特有の"女子"や"モテる男"に対しての過剰なまでの反応も面白いポイントだ。
「サマー・バザー」の準備を進める5人のもとへ家族がバザー用の品を持ってくるシーンでは、それぞれの『家族との関係性』が明らかに。秋吉家は弟の公太(野口)が届けに来るのだが、明らかに会話がギクシャクしていたり、脇坂は妹に溺愛されていることにうんざりし、小山内は出来の良い兄がいる……。親・兄弟とのわだかまり、他にも様々な不安や悩みを抱える彼らの夏の終わりの平凡な日常は、お互いの知らなかった事実が見えてきたことで、少しずつシリアスな雰囲気を纏い始める。
秋吉風太は普段はヘラヘラしているが、実は母親にまつわる記憶に囚われて弟との関係がギクシャクしていたりと内側に溜め込むタイプ。そんな彼を変えることになる『ある出来事』が起きるのだが、息を呑む迫真の演技に引き込まれる。舞台と客席の距離が近い新宿村LIVEだからこそ感じ取ることができる役者たちの"表情"。特に小山内正人は、みんなといるときの楽しげな顔から、おどおどとした表情や遠慮がちな笑い方、兄と接するときの彼の内側にある不安や悩みが伝わってくる。正人の兄、渉(蒼木)は一見して面倒見の良い兄に見えるものの、実は弟との関係性には根深い問題があり、なかなかに腹黒い性格の持ち主で、今まで見たことのない一面を引き出す役となった。
そして寮の管理人の孫・榊淳史(水田)は、管理人の仕事を任されていたり、皆が先輩だったりするせいか、気を使って少し控えめな様子。ただ同級生の公太には普段の自分を見せているといった些細な感情を見事に演じ分けていた。
また、本作の見どころの一つとなっているのが、日替わりシーン。教師・夏井望(平野)が喧嘩を止めるシーンや芸大生・岸直次郎(三井)の作品のネーミングなど、他にも日替わりになる部分があるとのこと。さらに、個性豊かなSUNPLUSメンバーの得意分野を生かしており、劇中に流れる校歌は井澤の作曲、岸の作品はメンバー数名で手作りした作品だという。
男子高校生の日常の中に、それぞれが抱える不安や悩みを乗り越えるまでの葛藤を描く少しほろ苦い『青春グラフィティ』。それだけではなくクスッと笑えるシーン、会話劇とはいえ動きのあるシーンもありと盛りだくさんな内容となっている。
SUNPLUS 第1回公演「SUMMER BAZAAR 〜夏の終わり〜」は、10月18日(金)〜27日(日)まで東京・新宿村LIVEにて上演。