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2019/06/20 22:51
レジェンドたちとの苦闘が続く女子プロレスラー・才木玲佳、現在の心境を語る「プロレスに対する本気度は絶対負けない」
筋肉アイドルとして活動しながら、同時にプロレスに本気で取り組み、3月よりW-1の所属選手となった才木玲佳。4月から堀田祐美子、井上京子、井上貴子といった女子プロレスのレジェンド選手たちとのシングルマッチに挑み続けているが、7月2日の後楽園大会ではその第4弾としてKAORUとの対戦が決定。さらに6月のシリーズからは地方大会へも参戦することになり、6.23長野大会では信州ガールズプロレスリングの杏ちゃむと、そして6.30足利大会ではアクトレスガールズの清水ひかりと対戦する。レジェンド相手に苦闘が続く才木が、現在の心境を語った。
■才木玲佳選手インタビュー
──3月からW-1の所属になりましたけど、プロレスをやる上での環境って変わりましたか?
【才木】試合数はそんなにないんですけど、練習環境っていう点では凄くいいですね。所属になってからW-1の若手の人たちに混じって一緒に練習をさせてもらっているんですけど、やっぱり周りは男の子ですし、身体能力だったりパワーだったりっていう点では自分よりもレベルの高い人たちとやらせてもらえる。それは自分の足りないところだったりまだまだだったりと思える環境なので凄くいいです。
──女子の選手が男子の選手と一緒に練習するのって大変なんじゃないですか?
【才木】そうでもないですね。
──お、さすが!
【才木】基礎体力トレーニングとか普通の女子だったらへこたれてしまう内容だったりすると思うんですけど、そこを持ち前の負けず嫌い、負けん気、勝ち気というのでなんとかついていって、誰よりも声を出していると思います。「おらー!」とか(笑)。
──誰よりも元気にやっていると。
【才木】つらい時こそ声を出して自分を鼓舞する、っていうのでがんばっています。
──なるほど。そして、試合に関してですけど、4月、5月、6月の後楽園大会では堀田祐美子選手、井上京子選手、井上貴子選手といういわゆるレジェンドと呼ばれる選手たちとのシングルマッチが続いていますね。
【才木】自分が望んだ闘いではあるんですけど、実際にやってみると凄く難しいですよね。私のキャリアが短いっていうのもあるんですけど、自分でコントロールできる試合じゃないんですよ。うまくいかないというか、今までやってきた才木玲佳のプロレスを全然見せられていないんです。
──勝ち負けを抜きにしても、納得のいくプロレスができていないということですか?
【才木】できてないです。「才木玲佳こんなもんか」って思われていると思うし、それは凄く悔しいですね。もちろん勝ててないというのもそうなんですけど、自分が思っていたほど動けてないというのは凄く反省点としてあります。
──というか、動かせてもらえていないという感じですかね?
【才木】あ、そうかも! でも、今のところ3戦やって、3選手ともありがたいことにいいコメントを私に残してはくださっていて、それは今後の私の伸びしろを期待してのことだと思うんですけど、まだまだですよ。レジェンドとの闘いがあと何戦続くかわからないですけど、立ちはだかる相手に一生懸命全力を尽くしてやるしかないですね。
──でも、体格差が凄いじゃないですか?
【才木】特に井上京子さんが今までで一番でかくて! 入場してきて初めて顔を合わせるじゃないですか? ビックリしましたもんね。井上貴子さんにしてもそんなに大きくないって思っていたんですよ。細くてそんなに体格変わんないんじゃないかって思っていた自分がいたんですけど……。
──大間違いだった(笑)。
【才木】いざ対峙してみると、やっぱり何千人の中から選ばれて活躍してきた選手というのは体格も大きかったんだなって改めて思いました。ただ身長ばかりはどうがんばっても伸びないので。
──でも、その3選手に対して果敢にもアルゼンチンバックブリーカーを仕掛けていくじゃないですか? アルゼンチンバックブリーカーって比較的身体の大きな選手がやる技だと思うんですよ。体格の小さな才木選手がそれにこだわるのはどういう思いがあるんですか?
【才木】やっぱり「才木玲佳って何?」って言われた時に筋肉だと思うんですよ。自分のアイデンティティである筋肉を活かしたファイトっていうのはこれからもやっていきたいし、小柄だけどパワーファイターが使う技っていうのは私にしかできないんじゃないかなって。だから、井上京子さんを持ち上げられなかったのが本当に悔しくて。その一方で、「小柄なことを活かしたファイトをやっていかなければいけないのかな」っていう考えも捨てきってない。自分だけのこだわりに固執しすぎるのも良くないなって最近思ったんですよ。少し頭を柔らかくして、新しいことを取り入れることも才木玲佳の成長にとって必要なことかなって思うんです。
──新しい才木玲佳を模索しているということですね。ところで、女子の選手が木村花選手が3月で退団してしまったので、現在一人という状況なんですが、W-1の女子を背負うという気持ちは強いですか?
【才木】女子というよりはW-1を背負う気持ちですよね。まだ何も決まってないですけど、他の女子の団体に参戦することも今後あると思うんですよ。そういう時はW-1を代表して行くわけだし、私の試合で「W-1ってどういう団体なのか?」っていうのを見られるわけじゃないですか? そこで私がしっかりとした試合を見せられれば、「W-1、しっかり育ててるね。いい団体だね」って思われる。だから、そういう意味では背負っている気持ちは凄くありますね。で、いずれは女子選手に入ってほしいと思います。
──今は上の世代の人たちと試合をしていますけど、やはり同世代で競っていくライバル的な存在は欲しいですか?
【才木】欲しいです。やっぱりライバルが欲しい。花ちゃんとは同期でデビュー戦の相手でもありましたけど、東京女子プロレスとスターダムという違う場所でやってきたのであんまり直接絡むことはなかったんですよね。いいライバルではあるんだけど、バチバチな関係ではなかったし、どっちかって言うと個人的には仲間の意識が強かったのかなって思うんですよ。だから、もっとリング上でのバチバチになれるライバルが欲しいですね。
──そういう意味では今月から地方の試合にも出ていくことになりましけど、23日の長野では杏ちゃむ選手、30日の足利では清水ひかり選手という若い選手との闘いになります。
【才木】まず後楽園以外で試合ができるのが嬉しいです。今、試合がしたくてウズウズしてるんですよ(笑)。だから、地方でいろんな選手とやれるのは凄いワクワクですね。杏ちゃむ選手と清水ひかり選手はどちらもグラビアアイドルだったりとか、女優活動をしながらプロレスもやっている選手と私は情報を得たので、立場的には似てますし、共感できる部分もあるけど、私のプロレスに対する本気度は絶対負けませんね。そういう気持ちを試合の中で見せられたらいいなと思います。
──信州ガールズプロレスリングの杏ちゃむ選手はグラビアアイドルやっているということですけど、そのへんで燃えるものはありますか?
【才木】いや、あんまり(笑)。プロレスのリングに立っている時は筋肉アイドルとして立っていないので、本当に勝負するのはプロレスでしたいっていう感じですね。ただ、杏ちゃむ選手にしても、清水選手にしてもどんなプロレス経験をしてきたかっていうのはリング上でわかるじゃないですか? それは楽しみですよね。でも、レジェンドと闘ってボコボコにされている才木玲佳ですけど、同年代や自分よりもキャリアの浅い選手とやる時は堂々とした、自分がコントロールするような試合ができたらいいなって思います。それは後楽園以外だからこそ見せられる今までやってきた才木玲佳だと思うので。その期待を持ってまた後楽園でのレジェンド戦を見に来てほしいなとは思いますね。