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2019/04/18 20:00
舞台版「PSYCHO-PASS サイコパス」が幕開け、鈴木拡樹×和田琢磨「色相悪化が激しい…」
大ヒットアニメ作品を原作とした、「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」が18日、東京・日本青年館ホールにて開幕。初日公演に先駆けて、前日の17日には公開ゲネプロが行われ、鈴木拡樹、和田琢磨、演出の本広克行が囲み取材に登場し、本番への意気込みを語った。
本作は、アニメ「PSYOCHO-PASS サイコパス」シリーズの脚本家・深見真が舞台用に書き下ろした完全オリジナルストーリーのスピンオフ作品で、公安局刑事課三係を舞台に、オリジナルキャラクターたちによるストレートプレイを上演。演出は、TVアニメ1期、劇場版で総監督を務めた本広が手がける。
本作の主人公・久泉晴人役の鈴木は、初日を迎えるにあたり、「今作はたくさんの照明と映像を駆使しているいます。そのため稽古場では想像するしかない部分が多かったので、早くこの舞台上に上がりたいなという気持ちが強かったんですが、この劇場に入ってたくさんの発見がありました」と打ち明け、「来ていただいたらきっと、テーマパークの中にいるような感覚に近い感じで、『PSYOCHO-PASS サイコパス』の世界観が広がっていると思います。2時間のアトラクションを一緒に体験してもらっているような感じに仕上がっているんじゃないかなと感じています」とコメント。
久泉と同じ監視官の嘉納火炉役・和田は「『PSYOCHO-PASS サイコパス』という本当にエネルギーを持った作品に、一人ひとりの俳優が魂を吹き込んで、『PSYOCHO-PASS サイコパス』の世界観の中にいろいろなキャラクターを作り上げていっています」と述べ、「たくさんの2.5次元作品がある中で、それとはまた別ものというか、原作の力を借りながらも、役者の本来持っている力を加えて新しい作品の誕生が、この「舞台 PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice」なのではないかというくらい、早く本番にならないかなとワクワクしている気持ちでいっぱいです」と声を弾ませる。
TVアニメ1期と劇場版の総監督に続き、本作で演出を務める本広は、「演劇なんですが映画を観ているような感じだったり、映画と思って観ていると飛び出してくるような感じがあったり、今まで培ってきた演出のすべてを、この作品で応用ができているかなと」と自信をのぞかせ、「まったく新しいものを作ろうと思って、無理難題を言わせていただいたり、アクションも尋常じゃないくらい大変なことをやっています。お客様がどう反応してくれるのか、とても楽しみです」と語る。
さらに「もともと『PSYOCHO-PASS サイコパス』は、アニメだけじゃなくて、ノベライズや漫画、小説、ラジオドラマ、実写化、舞台化などいろんな広がりを作りたいということで、当時『PSYOCHO-PASS サイコパス』プロジェクトって呼んでいたんです。本作はその中の一環で、もともとこういうことをやりたいなと思って、三係の物語にしました」と明かしつつ、「ただ、ここで失敗すると『PSYOCHO-PASS サイコパス』プロジェクトが途絶えてしまうので、絶対に面白いものにしようと思って、僕の想いの丈を全部やってもらいました」と本作にかける想いを吐露。
今作は"完全オリジナルストーリー"ということで、原作には登場しないオリジナルのキャラクターを演じることに対して、鈴木は「キービジュアルを撮影していた頃に受けたインタビューを読んだ方には謝りたい」と前置きし、「性格が180度反転しまして…。とても爽やかと言える感じでもないですし、新人の監視官という感覚もない状態で仕上がった」と告白。そして「なので、九泉晴人を演じていて笑ったのはキービジュアルでの撮影だけ。そんな新鮮な気分を感じさせてくれたのは嬉しかったし、楽しかったです」と振り返り、「1つ変わってないものは、シビュラシステムを信じてやまないという信仰心。そういった部分はもともと描こうとしていたものよりも強くなっているんじゃないかなと思います」と胸の内を明かした。
一方の和田は、「キャラクターを作ったというよりは、脚本の深見さんと演出の本広さんのお力のもと、回りの共存している公安局刑事課三係のみんなに、嘉納火炉という役を作ってもらったような感じというか、三係のメンバーで1つのチームを作り上げたという感覚がすごく強い」と話し、「アニメでは観たことないけど、『PSYOCHO-PASS サイコパス』の中に、"こういう三係がいたらいいな"とか"本当にこういうチームありそう"って、お客様に期待していただけるようなチームになったと思います」と述べた。
鈴木と和田の印象を聞かれた本広は、「最初は、すごく人気の俳優さんだと聞いていたので、独自の世界を持っている人だったりするのかな?と思っていたんですが、お二人とも真っ白な状態で稽古に臨んでくださって。こちらの要求したことを全部やってくれるという感じで、自分のキャンパスに絵を描いているような作業で、すごく楽しかったです」と笑顔を見せる。それに対し、鈴木は「本広さんとご一緒させていただくのが初めてで、どういう演出をされる方なのかすごく興味があったので、真っ白な状態で稽古に臨みました」とコメント。
「正直、けっこうビビって稽古場に入ったんです」と明かした和田。稽古初日を勘違いして、3日ほど早く稽古場に行ってしまったというエピソードを告白し、笑いを誘いつつ、「本広さんは僕ら役者の意見に耳を傾けてくださる方。僕らに挑戦をする環境を与えてくれて、且つ、ご自身の世界もしっかりとお持ちなので、お互いのすり合わせをしていく作業がとても楽しかったです」と振り返った。
また、作品にちなみ「キャストの中で色相が濁っているなと思う人、もしくは逆に色相がクリアだなと思う人は?」という質問が飛ぶと、鈴木は「ここで誰か一人の名前を挙げた時点で、自分の色相が濁ってるってなるじゃないですか(笑)。怖い質問だな〜」と戸惑いつつも、「キャスト・スタッフさん含め、ここ連日、小屋入りしてから、みるみるうちに色相悪化が激しいなと感じています。逆に100オーバーしていない人を探すほうが難しいかも」と回答。続けて、「観ていただくことによって、我々のメンタルケアになる。ぜひ、治療の一環として、ご協力いただけるとありがたいです」と呼びかけた。
【公演概要】
『舞台 PSYCHO-PASS サイコパスVirtue and Vice』
◆東京公演: 2019年4月18日(木)〜30日(火・祝)日本青年館ホール
◆大阪公演:2019年5月3日(金・祝)〜6日(月・祝)森ノ宮ピロティホール
※5月6日(月・祝)大千秋楽公演は全国の劇場でライブビューイングを実施
キャスト:
鈴木拡樹・和田琢磨 中村靖日 多和田任益 小澤雄太 町井祥真・池田純矢 高橋光臣 山崎銀之丞 ほか
≪あらすじ≫
公安局刑事課三係に所属する監視官の九泉晴人(くせんはると)は、公安局局長・禾生(かせい)からの命で連続殺人事件を捜査することになる。遺体は18ものパーツに細かく切断、その一つ一つにナンバリングがされていた。そして、繁華街の路地裏、四箇所に派手に飾り付けるという、いずれも同じ手口で犯行が繰り返されていた。「どうしてバラバラにしたのか、どうして四箇所に死体をばらまいたのか、ナンバーをつけた理由は何か。」九泉は同じ三係に所属する監視官・嘉納火炉(かのうひろ)や執行官たちと、捜査を進める。
被害者の身元を調べていくうち、「中国語の部屋」と名付けられた、とある装置が事件に関わりがあることに辿り着く。その矢先、街中にバラバラ死体がばら撒かれるという、市民の色相悪化を狙ったサイコハザードが発生。「ヒューマニスト」と名乗る武力闘争組織がテロの犯行声明を上げ、シビュラシステムには重大な欠陥があると批判、さらに大きな事件を予告する。そして、捜査を進める中、公安局内部に裏切り者の存在が浮かび上がる。
事件の鍵を握る「中国語の部屋」とは、ヒューマニストの狙いとは、そして、“裏切り者”は誰なのか―――
演出:本広克行(映画「踊る大捜査線」シリーズ、「幕が上がる」他)
脚本:深見真(アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズ、「バイオハザード:ヴェンデッタ」他)
ストーリー監修:Production I.G
音楽:菅野祐悟
制作:ソニー・ミュージックエンタテインメント、ポリゴンマジック
主催:舞台「サイコパス」製作委員会
◆公式サイト: https://psycho-pass-stage.com/
◆公式Twitter: @PSYCHOPASSstage
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