全国の高校生・中学生と、世界中の“声優”を目指す若者が集う“声の祭典”「第七回　国際声優コンテスト『声優魂』」が18日、ゲートシティ大崎ホールにて開催された。1,210通のエントリーの中から、ファイナリスト22名（3名欠場）が最終審査に挑み、特別賞に、九州大会代表、鹿児島県出身の高校2年生・寺原成美さん（てらはら・なるみ）さんが選ばれた。

　一般社団法人 国際声優育成協会が、声優プロダクション、アニメ製作会社、メディアなどの協力を得て、『声の祭典』として声優の世界をめざす若い才能を応援するために開催している『声優魂』。今年は、書類選考を通過した全国の中高生と、鳥取大会、近畿（京都）大会、九州（熊本）大会の各地区大会代表、そして世界中からのエントリー「インターナショナルカテゴリー」の代表を合わせたファイナリストが最終審査のステージに上がった。

　最終審査は、AT-Xで放送中のサイドカー・レースをテーマにしたアニメ『つうかあ』の映像を使用。ステージ上で3人一組のアフレコレッスン形式で行なう『アフレコ審査』、そしてボイスドラマの台本を3人一組で演じる『掛け合い台詞審査』という2つの実技審査を実施。現役の声優や音響監督（声の演出の責任者）、アニメプロデューサーらが審査を行なった。審査では台本の読み込み方、キャラ付け、相手との距離感やモノローグなどでの演技の変化など、具体的なアドバイスが飛び、全員が1回目の演技より2回目の演技が飛躍的な向上を見せ、短い時間の中で急成長を遂げていた。

　寺原さんは、受賞の瞬間、とても驚いた様子できょろきょろ。「今回特別賞をいただいて、びっくりした気持ちと嬉しい気持ちが同時に押し寄せています。優秀賞でも最優秀賞でもなかったんですけどとても嬉しいです」と笑顔。

　「昔からアニメが大好きで、声優という職業に興味があったんですが、『自分には無理だろう』って、その気持ちに気付かないようにしていました」という寺原さん。しかし「4年生のときに、テレビ番組に声優の浪川大輔さんが出ていて。それを見て、自分も声優になりたいと思いました」と声優を志したきっかけを語った。

　今回、声優魂に参加して「皆さんがアドリブをやっていて、自分を出していこうという気持ちに刺激を受けました。審査員の方も『アドリブ力は必要』とおっしゃっていたので、私も引っ込んでいないで前に出る気持ちを持とうと思いました」と学ぶことが多かったと振返る。

　憧れの声優は沢城みゆきさん。「『HUNTER×HUNTER』のクラピカっていうキャラが大好きなんですが、私が小さい頃から観ていたアニメに出ていて、『このキャラの声いいな』って思った役をみんな沢城さんが演じていて、すごいなあって」。そして将来の目標として「長い間必要とされる息の長い声優になること」と語った。

　なお第七回 国際声優コンテスト『声優魂』では、最優秀賞に大阪府出身の高校3年生・籔根歩美（やぶね・あゆみ）さん、優秀賞に大阪府出身の高校2年生・山岡琳さん（やまおか・りん）、神奈川県出身の高校3年生・田中しおりさん（たなか・しおり）、インターナショナルカテゴリー入賞に李相根さん（韓国／日本在住）、デレピアネ・ミゲルさん（Dellepiane Miguel／アルゼンチン／日本在住）、洪羽函さん（本日出場せず）がそれぞれ選ばれた。