NHK福岡放送局が15年にわたり福岡のさまざまな地域や事象にスポットをあて、福岡に生きる人々の姿をいきいきと描き出して制作している「地域ドラマ」。15作目となる『You May Dream』は「シーナ＆ロケッツ」を題材にドラマ化。実在のロックバンドをテーマに描くドラマは、NHK福岡でも初の試みとなる。

　シーナ＆ロケッツの79年の大ヒット曲『ユー・メイ・ドリーム』からタイトルをとったドラマ『You May Dream』。舞台は70年代の福岡。シーナこと鮎川悦子、鮎川誠らで結成、成功をおさめたシーナ＆ロケッツがどのように羽ばたいていったのか、郷愁を感じさせる福岡や北九州の情景を舞台に、音楽においても人生においても最高のパートナーとして共に歩んだ2人の姿をいきいきと描き出す。

　鮎川誠が『シーナ＆ロケッツ』を結成する以前に在籍していた、福岡の伝説的バンド「サンハウス」のボーカル・柴山俊之役には、福岡を拠点に活動するポップビートバンド「図鑑」のボーカル・平山カンタロウが大抜擢。この作品で役者デビューを果たす。

　平山の起用について、NHK福岡放送局の浜崎智史ディレクターは「博多ロックの黎明期、東京を目指すバンドが多くいた中で、サンハウスは福岡からブルース・ロックを発信していきたいというポリシーを持っていました。「図鑑」で活動するカンタロウさんも、ビートルズや博多のロックへのリスペクトを持って、福岡を拠点に音楽を発信しています。その姿は、当時の福岡の音楽シーンに風穴を開けた柴山俊之さんの姿に重なると思いました」と語っている。

　出演キャストは、シーナ（悦子）役に福岡出身のバンドARBのボーカル・石橋凌の娘、石橋静河。鮎川誠役には福岡県出身の俳優・福山翔太。そのほか、徳永玲子、佐田正樹（バッドボーイズ）、松重豊ら福岡県出身の役者が脇を固める。福岡発地域ドラマ『You May Dream』は3月2日（金）総合午後7時30〜8時43分（九州沖縄地方）で放映。その後、全国放送も期待される。