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2017/09/19 18:31

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野島伸司の教え子・奈緒、来年度朝ドラヒロインの親友に大抜擢の新進女優に注目

平成30年度前期NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインの親友役に抜擢された奈緒(C)Deview
平成30年度前期NHK連続テレビ小説『半分、青い。』でヒロインの親友役に抜擢された奈緒(C)Deview

 脚本家・野島伸司が総合監修を務めるアクターズスクール『ポーラスター東京アカデミー』が、開校から約1年半で、ドラマへの出演を果たす生徒を多数輩出している。特待生の奈緒(22)が、平成30年度前期NHK連続テレビ小説『半分、青い。』にて、ヒロイン・永野芽郁演じる楡野鈴愛の親友・木田原菜生役に大抜擢された。福岡からチャンスを求めて単身上京、『ポーラスター東京アカデミー』で飛躍のきっかけを掴んだ奈緒に話を聞いた。

■『ポーラスター東京アカデミー』出身女優・奈緒インタビュー

――奈緒さんは来年度の朝ドラ『半分、青い。』への出演が決まっています。もちろんオーディションでキャスティングされたんですよね。

「朝ドラのヒロインオーディションを受けるのは、地元にいたときに受けた『まれ』と、上京してから受けた『わろてんか』と今回で3回目なんです。『わろてんか』では最終審査で落ちてしまったんですが、近づいたような気がしていてもすごく遠く感じて。朝ドラはたくさんの人に観てもらえる機会だし、故郷に錦を飾りたい、東京にいても私は元気だよっていうのを、毎朝伝えられる作品なので、悲願だったんです。『半分、青い。』でも最終までいったんですが、結果的に落ちちゃって。今回のヒロインはすごくすごくやりたかったけど、無理なのかも知れないって思っていて…」

――そこから親友役へのキャスティングは大抜擢ですね。

「後日改めて親友役のオーディションに呼ばれたんですが、“なお”(菜生)という役名って聞いて、名前が一緒なのですごく運命を感じました。ヒロインのオーディションを受けるなかで、ヒロインの人物像を知って好きになっていて、その大好きなヒロインのことを、一番近くで見て、支えられて、地元も一緒っていう役は、絶対にやりたいと思いました。決まったときは、最初は信じられなかったですし、撮影が始まってないので、いまだに実感がないんです(笑)」

――反響は大きかったのではないですか?

「朝ドラのキャストは発表まで極秘なので、出演者が発表されたとき一番にお母さんに連絡しました。そうしたら“まず、夢じゃないか、ちゃんと一晩寝て考えなさい”って言われて(笑)。ウチの母は現実的なので。でもホームページの画面を送ったら、本当に涙、涙で泣いて喜んでくれましたね。本当に嬉しかったです」

――撮影開始に向けて期待していることは?

「撮影が終わるのは来年の8月と聞いてるんですが、1年後の自分って、普段でも考えられない感じなので。でも1年あるんだから、菜生と一緒に成長していきたいです。あとは役割として、ヒロインを支えていけるような菜生になりたいと思っています」

――そんな大きなチャンスをつかむ原点になった、『ポーラスター東京アカデミー』に通い始めたきっかけは?

「小さいときからとにかく早く働きたくて、女優に興味を持っていたんですが、ずっと親に反対されていて。地元福岡で高校生のときにスカウトされたのをきっかけに、親を説得して芸能活動を始めました。モデルやレポーターの仕事もしていたんですが、やっぱりお芝居が一番楽しい、お芝居をちゃんとやりたいと思って、20歳のときに決心して東京に出てきました。でも、上京してからしばらく、モデルのお仕事を減らして時間だけができてしまって。この時間をどう使おうかと思いながら、一度福岡への帰省から東京に戻って、羽田からのバスに乗っているとき、たまたまポーラスターについて、野島さんといしだ壱成さんが対談している記事を読んだんです。『本物の役者主義』という考え方が、素敵だな、私もこういう輪のなかに入りたいと感じて。野島さんが直接見てくださるオーディションなんて、田舎から出てきた私には想像もできないから、挑戦したいと思って、初めて自分でオーディションに応募しました」

――オーディションにはどんな心構えで向いました?

「いろいろ考えて、着飾って行くのはやめようって思いました。本物を見る方だから、内面的なことを見抜かれる気がして、怖かったんです。自分が思う“一番飾らない格好”をしていったら、今でもスタッフの間でちょっとした七不思議みたいで“なんでオーディションのときだけあんなにダサかったんだ”ってめっちゃ言われます(笑)。黒いタートルに眼鏡、目にかかるぐらいのパッツン前髪のおかっぱ。下はダボッとしたカーキのカーゴパンツに、真っ赤なスニーカーだったんですけど。合格したからいいかなって、普通に外出するような格好で行ったら。“2週間後に来た奈緒ちゃんが、全然違う格好でビックリした”って(笑)」

――審査はどんなものだったんですか?

「普通のオーディションとは違って、型にはめるというより、それぞれが自分の個性を出すオーディションでした。そういうものを受けるのは初めてで、みんな自分のアピールポイントをちゃんと持っていて、一緒に受けていてすごく刺激になりました。そして野島さんがオーディション中、ど真ん中にいるのに全然喋らないんですよ。最後に“みんな、野島さんの前に来てください”って言われて並ぶと、野島さんが一人ひとりの目を見て“じゃあ、お疲れ様でした”って。私は、それがなんだったのかが気になって。入ってからお話しする機会があったので直接聞いてみたら、眼がすこぶる悪いらしく“顔が見えてなかった”って言われて(笑)。でも本当はそれだけじゃないと思うんです。座っているときの佇まいも見てらっしゃる方なので。何かを見抜かれたんですかね…」

――合格の発表を聞いたときはいかがでしたか?

「私はオーディションが終わってすぐに“特待生として迎え入れたい”という連絡をいただきまして。大人の方々から説明を受けながら、一歩後ろから自分を観ている感覚で“芸能界っぽい”って感じてました。福岡での芸能活動とはちょっと違うところに足を踏み入れたなという感覚があって。すぐお母さんに電話をしたら“そんなにウマい話があるわけないでしょ。騙されてるんじゃないの?”って言われました。でも大丈夫じゃなかったら、今この場にはいないので(笑)」

――ポーラスターで演技を学んで発見したことは?

「ポーラスターの授業は“ウソをつかない”というところが共通していて。最初にミニゲームみたいなことをやって、負けたら悔しい、その悔しい気持ちは本物だからと、自分の中にある怒りや悲しみに気付かせるところから始まるんです。それは、講師の先生がどんなに教えようとしても難しいことで、生徒と生徒の間で、自分たちで気付くしかないということを学びました」

――特に印象に残っているレッスンについて教えてください。

「一緒にレッスンを受けている、佐々木このみちゃん(18歳・野島伸司脚本のドラマ『雨が降ると君は優しい』でデビュー)の演技が本当に面白くて。普段のこのみちゃんを見ていても、動きや表情、独特なテンポがすごく面白くて刺激になる。だからずっとこのみちゃんのことは一方的に好きだったんです。あるレッスンで、私たちが置かれている状況に似た台本をいただいて。同じレッスン生として切磋琢磨をしているんだけど、一人は辞めて実家に帰っちゃって、それを呼び戻しに来るという設定が与えられたんです」

――感情移入してしまいそうな設定ですね。

「一応セリフはあったんですけど、最終的に思いのままぶつかっていいということになって。とにかく私はこのみちゃんを連れ戻したいという気持ちで、すごく素直な言葉が出てきたんです。このみちゃんが“嫌だ、行きたくない”って言ったときに、私は自然と“私が面白いって思ったこのみはなんだったの?”って言ったんです。そのときにこのみちゃんが“ブワッ”て泣き出して。その瞬間って本当にドキュメンタリーで。それが現場で通用するかって言ったら、もちろん違うのは分かっているんですけど、そういうことにレッスンという場で気付けたり、そんな瞬間が生まれたというのは、すごく大きかったなって思います」

――奈緒さんは、上京する以前からCMに多く出演していて、オーディションに強いのではないかと思うんですが、オーディションのときにはどんなことを心がけていますか?

「オーディションのときは、事前にあまり決めて行かないようにしているんですが、目の前のその人を笑わせたい、楽しませたいという気持ちを持っています。もちろん審査をされているんですけど、合格しなきゃという気持ちで行くと緊張しちゃうので。本番だと思って、なんだったらお金がいただけるようなパフォーマンスをしたいという気持ちですね。自己紹介も、紙に書いてある経歴ではなくて、朝起きてから、その日にあったことを言ったり、今そこに立っている自分を見てほしいと思ってオーディションに向かいます。結果がどうなっているかはわかりませんけど」

――奈緒さんのインスタグラムにアップしている、映画のイラストも見ましたよ。

「うれしいです! 中学校では美術部で、元々趣味で落書き程度に描いていたんですが、ポーラスターに入ってからインスタで発表するようになりました。映画を観るのが好きなんですが、プロフィールの趣味の欄に『映画を観ること』って書きたくなくて。当たり前だし、映画を観ることは趣味じゃなくて“君たちはそれが仕事でしょ”って言われたことがあったので。そこで、特技と趣味を組み合わせて、映画のイラストを描いてアップし始めたんです」

――プロはだしの出来栄えなのでびっくりしました。

「女優の仕事にも影響があって、自分の役がイラストを描いている女の子に変わったんですよ。『リングサイドストーリー』(10月14日公開)という映画なんですが、本当はイマドキの女の子の役だったんですけど、監督から“何が好きなの”って聞かれて、“映画のイラストを描いてます”って見せたら、“面白いじゃん、変えよう”って。それからは嬉しくなっちゃって、調子に乗ってます(笑)」

――インスタグラムに載せている写真や言葉も素敵なので、もっと女優として注目されるようになったらフォトブックとか出せそうですね。

「写真や詩とかも好きなので、そういうインスタになってしまってるんですけど、もしも本を出すことができたなら、そのときは高い高いお菓子を持って野島さんのところに行って、“ここ(本の帯)を書いていただけませんでしょうか”って(笑)。ほのかに抱いている夢でもあります」

――これからの夢や目標を教えてもらえますか?

「今は映像のお仕事を主にさせていただいてるんですが、舞台は一回もやったことが無いので、舞台に出演してみたいです。夢は、お仕事で全都道府県を制覇したいです」

 現在『ポーラスター東京アカデミー』は現在特待生オーディションの募集を行なっている。10月13日〜15日に東京校・名古屋校で同時オーディションを開催予定。参加希望者は、公式サイトの応募フォーム(http://psta.co.jp/201710/)からエントリーできる。

■奈緒(なお)プロフィール
1995年2月10日生まれ、福岡県出身。アービング所属。10月14日公開の映画『リングサイド・ストーリー』(武正晴監督)出演。9月16日から配信のhuluオリジナル連続ドラマ『雨が降ると君は優しい』出演。11月3日より毎週金曜よる8時放送のNHK BS時代劇 『赤ひげ』(NHK BSプレミアム)レギュラー。平成30年度前期 連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合ほか)にヒロインの親友・菜生役で出演。趣味:観た映画のイラストを描くこと(Instagramで公開)、カレー屋巡り、バーレスクダンス。特技:乗馬、着付け。

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