ニュース
2016/10/31 19:02
SFアニメの金字塔『クラッシャージョウ』4Kリマスター版完成
劇場公開から33年を経て、現在実現しうる最高の画質「4Kリマスター」によって蘇る、SFアニメの傑作『クラッシャージョウ』。2016年12月14日のBlu-Ray BOX発売に先駆けて、28日にBlu-Ray完成披露試写が行なわれ、原作者・高千穂遥、監督・安彦良和からのコメントが寄せられた。
1977年に第1巻が刊行され、今なお続く日本のスペースオペラを代表するSF小説『クラッシャージョウ』。その小説の表紙・挿絵を担当しているのが、『機動戦士ガンダム』の生みの親として知られるアニメーターの安彦良和。彼が初監督を手がけ、現在も語り継がれるSFアニメの金字塔的作品が劇場版アニメの『クラッシャージョウ』だ。
今回、状態の良いオリジナルのネガをスキャンの工程から4Kで作業。そのため元々細かく描かれていた描線を最高の状態で保存することが可能に。さらに劇場公開時は画面比16:9だったものを「4:3 1080p High-Definition」で収録。これまでより上下の広い画角で余すところなく作品を楽しめるようになっている。
実際に上映された映像は、新作アニメかと思われるほど発色が鮮やかで、背景などの美術は現在主流のデジタルアニメを凌ぐ深みをたたえる。「活劇」という言葉がぴったりの生き生きとしたアクションの描線も、細部に至るまで表現。大型のスクリーンに映し出されても、これ以上望めないほどの高画質で作品が迫ってくる印象だ。
原作者・高千穂遥氏、安彦良和氏ともに今回の4Kリマスターを歓迎するコメントを残している。新たにこの作品に触れる新しいファンだけでなく、当時夢中になったアニメファンにも、新鮮な印象を持って受け入れることが出来るはずだ。『クラッシャージョウ Blu-ray BOX』は2016年12月14日発売。
■原作者・高千穂遥氏コメント
「今は昔の作品をテレビを通してたくさん目にする機会が多いが、古い作品でリマスターされていない映像は、流れる画像が粗くて集中して観ることができないんです。そんななか『クラッシャージョウ』もリマスターすることによって、絵を当時以上に綺麗に観ることができるようになり、ちゃんと世界に入り込んで楽しむことができるようになりました。絵的な粗さが消えて、集中力を妨げるものがないわけですから、作品世界そのものを全部あるがままに観ることができるよういになったのは重要です。現在の最高の環境で『クラッシャージョウ』の、そのあるがままの状態を堪能してもらえることが嬉しいですね」
■監督・安彦良和氏コメント
「『クラッシャージョウ』は、制作当時「楽しめ、楽しめ」と自分を励まして、スタッフの顔を見ながら「楽しんでるか?」と言いつつやった仕事なんです。公開後は劇場のお客さんの顔を「楽しんでいるかな?」って見るようにしていました。いろんな意味で「楽しんでいるか?」という部分に尽きる作品なので、今回のリマスターでは、そうした昔を偲んで楽しんでもらえるといいのではないかと思います」
(C)高千穂&スタジオぬえ・サンライズ