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2016/06/20 19:28
オーディションで発掘された鹿児島在住の12歳・平岡真衣、『ゆずの葉ゆれて』で映画デビュー
鹿児島市のバックアップでオール鹿児島ロケで撮影された、女優・松原智恵子芸歴55周年記念主演映画『ゆずの葉ゆれて』(8月20日公開)。同作にオーディションで選ばれ、松原智恵子、津川雅彦らとのふれあいを瑞々しい演技で演じた新人・平岡真衣。現在も鹿児島に在住のピュアな12歳にインタビューした。
■平岡真衣インタビュー
「オーディションで大きな仕事をつかんで、みんなのビックリした顔を見たいです」
――芸能のお仕事を始めたきっかけは?
「通っていた小学校の100周年でニュースが取材に来たんですが、インタビューを受けている自分をテレビで観たときに“すごいなあ”って思って、“次はちゃんと芸能人として出てみたいな”と思ったんです。そして小学3年生のとき、新聞のチラシに事務所の広告が載っていて、オーディションを受けました。初めて地元テレビのCMの仕事をしたときは“おぉーっ!”って(笑)。こういうことをやりたかったって思いました」
――映画『ゆずの葉ゆれて』に出演することになったきっかけは?
「福岡の事務所にいるときにオーディションの話をいただいて。普段は映画出演など大きな企画の話は来ないのでビックリしました。鹿児島で映画を撮るなんて機会はなかなかないので、すごいことだなと思って応募しました」
――オーディションではどんなことを心がけました
「とにかくあまり作らないようにしようと思いました。オーディションは、ハキハキ話す子が多いし、挨拶もみんな“おはようございますッ!!”とか勢いがすごいんです。あんまり作っちゃうと自分とは違うし、地元の映画だから『地元の子』っていう感じで出るんだろうなと思ったので、自分らしくしようと心がけました。演技審査は緊張して、台詞も少し飛んじゃったけど、上手く言い換えてなんとか乗り切りました。合格の連絡を聞いたときは夜だったんですけど、ずっとリビングを走ってました。うわっ!ヤバっ!えっ?出るんだ!みたいになって(笑)」
――映画の現場は初めて?
「床にコードがいっぱいあったので、踏まないように気をつけました。こんなにたくさんの機械を使って映画を撮るんだって思うと、本当に映画の現場にいるんだと実感しました。あとはとにかくたくさん人がいて。メイクさん、衣裳さん、俳優さんと…ほかにも“なにかしてるぞ?”みたいに地元の方がいっぱい観に来ていたので、意外と緊張しました」
――今回演じた風間裕美はどんな女の子ですか?
「サバサバしていて、弟には冷たく当たるんですけど、たまに優しいみたいな感じ。自分は学校でうるさいほうなので難しかったです。きょうだいはお兄ちゃんがいるんですが、弟がいる感覚がわからなくて。でも休憩のときに弟役の子(山時聡真)がうるさくて“はぁ〜、もう”って思うときがあって“あ、こういう気持ちだ”って発見して、自然と役作りができました。ラストでも、お姉ちゃんだから面倒をみないといけないんだなと、自然に弟に寄り添うことができました」
――現場は有名は役者さんばかりだと思うんですが、雰囲気はどうでした?
「皆さんすごく優しくてくださいました。休憩のときも、お父さん役の西村和彦さんが、いろんな雑学とか面白い話をしてくれて和みました。撮影は真夏で、マイクに音が入ってしまうからクーラーも切っていたので、私は熱中症になってしまって。でもそんなときも、いろんな女優さんが代わる代わる看病してくれて、優しいなと思いました。撮影のときは、俳優さんたちはもちろん、とても演技が上手なので、自分があんまり上手じゃなくても上手に見える、みたいな…(笑)」
――役者さんを観ていて勉強になったことは?
「西村さんが鹿児島の歌を完璧に覚えていて、イントネーションも鹿児島人っぽいのが驚きました。でもたまにやりすぎなところもありました(笑)。自分は鹿児島弁で言わなきゃって意識しすぎるとおかしくなってしまい、自然な感じでいいよって注意されました」
――ロケ現場はすごく自然が多いところでしたね。トンボがたくさん飛んでいて。
「虫がけっこう多くて、ヘアメイクさんも衣裳さんが虫除けスプレーとかゆみ止めを持ってて、ずっとかけてました。結構森の中だったので、セミの音もすごかったです。私が住んでいるところは山には囲まれていますけど、車も通っていて、虫もそこまで多くなくて、もうちょっと都会です(笑)」
――ほかに撮影で印象に残っているのは?。
「差し入れがたくさんありました! スイカを何個もいただいたり、2色の味のカキ氷には『ゆずの葉ゆれて』と書かれた旗が立ってて。すごかったので写真を撮りました(笑)。エンディングに出てくるカットでも差し入れにうどんをいただいて美味しかったです。撮影は本当に楽しくて、夏休みはつぶれちゃったけど、とても充実したものになりました」
――できあがった映画を観た感想は?
「バッチリ仕上がってました(笑)。本当に映画に出てるんだなって思いました。コレが映画館で上映されたら、もっと大きな画面になるし、どんな感じになるのかなってワクワクしています」
――今回映画に出演してこの仕事への想いは強くなりました?
「もっといろんな作品に出てみたいなって思いました。学園モノのドラマに出てみたいんですが、撮影の休憩時間とか同世代がいたら楽しいだろうなって思っています。あとファッションも好きなので、モデルの仕事もやりたいです。この後もファッション雑誌の編集部に顔合わせに行くので頑張ります。」
――この映画をきっかけに東京の事務所に移籍して、東京に来る機会も多くなりました。
「東京の人はみんな歩くのが早くて…鹿児島の人はゆっくりなんです。あと建物が多くて見渡せないので、道に迷いますし、地下鉄を初めて見たときめっちゃ長くて! 鹿児島の市電はレトロで小さいんですよ。とても長いから、新幹線かなと思ってビックリしました(笑)」
――今は何をしているときが楽しいですか?
「剣道部に入ったので、剣道が楽しいです。小6のときから、私の行く中学校に剣道部があると聞いて、動画を見たりして“かっこいい!”って思ってました。まだ防具をつけていないんですが、この前胴衣の採寸をしたばかりなので、来週から本格的に出来るし、大会もあるので楽しみです。みんなからはギャップがあるらしく、剣道部って言うと“あの真衣ちゃんが?”みたいに驚くので、レギュラーになってもっと驚かそうかなと」
――これからの目標は?
「オーディションで大きな仕事をつかんでみんなのビックリした顔を見たいです。今はテレビドラマやファッション雑誌に出るのが目標です!」
■平岡真衣プロフィール
ひらおか・まい●2003年10月15日生まれ、鹿児島県出身(在住)。趣味/お菓子作り特技/剣道、鹿児島弁
■映画『ゆずの葉ゆれて』概要
海と山に囲まれた小さな町で、畑仕事をしながら病床の夫(津川雅彦)を看取る妻(松原智恵子)。半世紀以上連れ添ってきた夫婦の絆と別れ、そして老夫婦と隣家の少年(山時聡真)らとのふれあいを通して「人と人との絆」と「幸せのありかた」をさわやかに、幻想的に描く。平岡が演じるのは少年の姉・風間裕美役。松原智恵子芸歴55周年記念主演作。出演は西村和彦、小林綾子、芳本美代子、真由子、辻本祐樹、中村美沙ほか。8月20日、有楽町スバル座、天文館シネマパラダイス、TOHOシネマズ与次郎をはじめ、全国順次ロードショー。