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2015/11/24 21:55
「地下アイドルがここまで来たぞー!」仮面女子、悲願のさいたまスーパーアリーナ単独公演成功
“最強の地下アイドル”仮面女子が23日、さいたまスーパーアリーナで単独公演『地球のおへそ』を開催した。全20曲、全力のパフォーマンスを繰り広げ、大舞台を務め上げた仮面女子。リーダーの桜のどかは「かなわない夢は絶対にありません。私たち仮面女子が必ずこれからもそれを証明してみせます!」と大観衆に宣言した。
昨年の10月、Zepp Tokyoで発表された、地下アイドルとしては前代未聞、無謀とも言えるさいたまスーパーアリーナ単独公演。しかし仮面女子は、今年1月リリースのシングル『元気種☆』でオリコンウィークリーチャート首位を獲得し、テレビに冠番組を持ち、さまざまなコラボを展開し、国内各地や海外でライブを行ない…とまさしく八面六臂の活躍を見せた。その一方で、秋葉原にある常設劇場P.A.R.M.S(パームス)でのライブも365日欠かさず続けてきた。
着実に知名度は上がり、ファンも増えていったこの1年の集大成――。いや、所属事務所のアリス・プロジェクトが設立されて初期メンバーが加入したときから現在までの集大成が、このさいたまスーパーアリーナでのワンマンなのである。そして、いよいよ「地球のおへそ」と題された仮面女子の大一番の日が訪れた。
開演前には大きなステージを見下ろすようにホッケーマスクの男の顔が映し出され、全国各地から集まったファンたちの期待感がアリーナに充満していた。まず、オープニングアクトとして、吹奏楽経験者である桜のどか、月野もあ、窪田美沙の3人が楽器を持ち、葛飾総合高校吹奏楽部と演奏で共演。続いて、未来の仮面女子である仮面女子候補生が元気な歌声を披露した。
その後、『次世代読モコンテスト』というファッションショー(メンバーの黒瀬サラと澤田リサがランウェイを歩いた)を挟み、メインイベントの仮面女子ライブへ。元気よくステージ上に飛び出してきた18名のメンバーは、いきなり最大のヒット曲『元気種☆』で会場の熱をグッと引き上げる。川村虹花の「地下アイドルがここまで来たぞー!」という叫びは、メンバーのみならず、会場にいるすべての人が抱いていた思いを代弁していた。
そして、この日のために用意された「リップルライト」がライブをさらに盛りたてる。リップルライトとはリストバンド型のLEDで、コンピューター制御で自由自在に色や光り方を変えられるのだ。リップルライトは入場口で配布され、観客全員が手首につけている。楽曲に合わせて客席全体がカラフルにまたたき、ステージ上のパフォーマンスと連動して、まるで光のショーのようだった。
仮面女子のパフォーマンスも、大きな会場に負けない力強さとエネルギーがあった。『アリス・イン・アンダーグラウンド』『全力エンジン』『超アドベンチャー』『夏だね☆』など、全20曲を披露。振り付けの中にあるヘドバン(ヘッドバンギング)は仮面女子の代名詞でもあるが、この日は計測不能なほど何度も激しくヘドバンを繰り返した。『夏だね☆』では、センターの立花あんなが乗ったゴムボートがスタンディング席を半周。さいたまスーパーアリーナでも名物の“ボート航海"をやり切った。
また、途中のMCでは、前夜からさいたまスーパーアリーナに泊まり込んでいたこと、楽屋に布団を敷いてメンバーが雑魚寝をしたことなども明かされた。仮面女子のワンマンにかける思いの強さ、メンバーの結束の強さを物語るエピソードだ。リーダーとして仮面女子をまとめてきた桜のどかは、『大冒険☆』の曲中に感極まったように大きな瞳をうるませ、そして、アンコール前にはこんなスピーチをした。
「私たちは地下アイドルやアイドルの世界の人にだけではなくて、すべての人々に証明したいと思っています。私たち、階段を一歩一歩上るのは遅いけれども、夢をかなえつつあります! だから、今、夢を持っていても諦めそうになっている人がいたとしたら、『夢が見つけられない』って思っている人がいたとしたら、もっと自分に自信を持ってください。かなわない夢は絶対にありません。私たち仮面女子が必ずこれからもそれを証明してみせます!」
観客がたった3人しかいないときもあった。心ない言葉を浴びせられて傷ついたことは数えきれないほどある。それでも、歯を食いしばってアイドル界の階段を上がってきた。大手事務所のオーディションに落とされた少女たちが、今、さいたまスーパーアリーナに立っている。
――自分を信じて進んでいけば、必ず夢はかなう。
そんな胸を打つリーダーのメッセージの後、アンコールとしてすべてを出し切るかのように『全開☆ヒーロー』を歌った。夢のワンマンライブは大成功に終わった。とはいえ、仮面女子はまだまだこれからも夢の階段を上り続ける。決して立ち止まらない。目指すは、地下アイドルのままアイドル界の頂点に立つ『国民的地下アイドル』だ!