世界中で上演され続けている人気ミュージカル『RENT』の製作発表が、8日に都内で行われ、主人公・マーク役の村井良大やロジャー役（Wキャスト）の堂珍嘉邦、ユナク（超新星）らキャスト陣が集結した。

　同作品は、1996年の初演以来ブロードウェイで12年4ヵ月のロングラン、世界15ヵ国で各国版の上演、2006年には映画化もされ、日本のみならず世界中で上演され続けている傑作ミュージカル。貧困、エイズ、ドラッグ、同性愛といった、死と隣り合わせな生々しい問題に直面しながらも、愛や友情を信じ、夢に向かって輝き続けようとする若者たちの姿が、バラティー豊かなミュージカルナンバーによって、いきいきと感動的に描き出される。日本版は、賀来賢人が座長を務めた2012年以来3年ぶりの上演となる。

　製作発表の冒頭では、3200人の応募の中から選ばれた約100名のオーディエンスを前に、『RENT』の名曲、『Seasons of Love』を登壇者18名で熱唱し、一瞬にして観客を魅了する。続いて、主人公・マーク役の村井と、Wキャストとしてロジャーを演じる堂珍とユナクが、この日限りの3人バージョンで、『What You Own』を披露。マークとロジャーの掛け合いのパートでは、村井がWロジャーの2人と、それぞれ顔を見合わせながら、いきいきと楽しそうに歌う姿に、3ヵ月後の『RENT』本番への期待が膨らむ。

　その後行われた会見には、村井をはじめとするキャスト18名が再登壇。座長を務める村井は、「『RENT』という、とても歴史のある作品に携われることがとても嬉しいです。一番の未熟者ですが、みなさまを引っ張っていけるように精進していきたいと思います」と意気込みを語った。また、海外ミュージカルに初出演することについて「英語で歌っている歌詞を、日本語に変えて歌うっていうのが、非常に難しくて苦戦してます」と現段階での苦悩を語りつつ、「でも、日本人のお客様がたくさん観にきてくださると思うので、歌の魂は変えずに詞を日本語に変えて歌うことを、今、頑張っているところです」とコメント。

　また、『RENT』という名高い作品に対して村井は「オーディションを受ける前は、まったく知らなかった」と明かし、「オーディションの話が来たときに、初めて映画版とブロードウェイ版を拝見させていただきました。今まで舞台のDVDで泣いたことがなかったけど、最後のクライマックスを観たときに、“こんなに感動する作品があったんだ”って。理由なく胸にくる作品だなって思いました」と『RENT』を観たときの感動を振り返った。

　Wキャストでロジャーを演じる堂珍は「『RENT』という舞台はエネルギーを必要とする舞台。自分も何かを燃やしてアタックしていきたい！」と意気込みを語ると、同じくロジャー役のユナクも「今回、素晴らしいミュージカル『RENT』で、素晴らしい俳優さんたちと舞台に立てることが嬉しい。頑張って良い公演を作れるように頑張ります！」と力強く宣言。Wキャストで演じるということに対して、ユナクは「名古屋に留学していたとき、CHEMISTRYの大ファンだったので、今もドキドキしてます。昨日初めて（堂珍に）会った瞬間が、僕の人生の中でいちばんドキドキした瞬間です」と緊張気味に告白しつつ、「頑張っていい評価をもらいたい」とコメント。

　今作で、3回目の『RENT』出演となるソニンは「メンバーが変わると、毎回全然違う『RENT』の世界が待っていて、毎回発見がある。私自身、NY留学から帰ってきての自分だから、絶対（今までと）違うモーリンをやれるという確信があるので、稽古が始まるのが楽しみ」と語り、会見中も冗談を言い合ったり、フォローしあったり、すでに息ピッタリなカンパニーのメンバーに「すでに楽屋裏ですごく仲が良くてびっくりしている。前回はわりとシャイな方々が多かったけど、今回は最初からエネルギーが合っている気がするので、どんな感じになるのか楽しみです」と笑顔を見せた。

　ミュージカル初挑戦となるSoweluは「この作品は、私自身、命を揺さぶられた大好きな作品。去年、“絶対、ミミ役を勝ち取りたい！”という想いで、オーディションにガチで挑んで勝ち取ることができました。こんなに素敵なメンバーと出会えたことを感謝して、最後まで自分のすべてをかけて、みなさんの命に響く歌、演技を届けたいと思います」と並々ならぬ想いを語ると、同じくミュージカル初挑戦のIVANは、「まさか自分がミュージカルに出るとは思ってなかった。元々しゃべらない”モデル”というお仕事から、今は歌ってお芝居するというこんな素晴らしい人たちとやらせてもらえることが、まだ信じられない。バラエティでは見せないIVAN、新しいIVANを見せていけたらいいなと思います」とキュートにアピール。

　劇中、R&Bやロックンロール、タンゴなど、様々なジャンルの曲が舞台を彩る『RENT』。それぞれの好きな楽曲について、村井はイベントの冒頭で披露した『What You Own』を挙げ、「マークが新たに決意して、自分のやりたいことをやるという前向きな歌なので好き」とコメント。堂珍は、ロジャーのソロ曲『One Song Glory』を挙げ「生み出す苦しみや、苦悩みたいな感情が、音楽とマッチしていて、ギターの音もいいし、わかりやすいし好き」と答え、ユナクも「ラブソングが大好きなので、『Your Eyeys』が好きです」と笑顔を見せた。

　個性派キャストが勢ぞろいしている『RENT』カンパニーの座長を務める村井は、「今まで座長をやられた方から“みんな個性も強いからそのキャラクターたちに負けないように、且つ、座長として引っ張っていくのは大変だよ”という話を聞いていて。“あ、なるほどな”と思った」と語り、「でも、大変だなっていうよりは、楽しみ。Wキャストなので、それぞれどういうアプローチでくるのか、その化学反応を早く感じたい」と笑顔で語り、『RENT』が本格始動することが待ち遠しい様子だった。

　ミュージカル『RENT』は、東京公演が9月8日（火）〜10月9日（金）日比谷シアタークリエにて、大阪公演が10月16日（金）〜18日（日）森ノ宮ピロティホールにて上演される。
　
　なお、オーディション情報サイト『Deview／デビュー』（http://deview.co.jp/）にて、村井良大のインタビューを近日公開予定。