先月2日のハロー！プロジェクト新春公演『Hello!Project 2015 WINTER』の初日公演で、ハロプロに2年ぶりに新ユニットが誕生することが発表された。そして25日、そのユニット名が「こぶしファクトリー」に決定。ハロプロ研修生8人によるこの新ユニット、どんなメンバーたちで構成されているのだろうか。

　昨年は、Berryz工房の無期限活動停止の発表、スマイレージに新メンバーが加入＆グループ名を「アンジュルム」と改称、カントリー・ガールズの本格再始動発表など、大きな動きが相次いだハロー！プロジェクト。年が変わってもその動きは落ち着くことなく、さらに進化をとげていきそうだ。

　その第一弾として発表されたのがハロプロ2年ぶりの新グループの結成。メンバーは、藤井梨央（15）、広瀬彩海（15）、野村みな美（15）、小川麗奈（14）、浜浦彩乃（14）、田口夏実（14）、和田桜子（13）、井上玲音（13）の8人。全員がハロプロ研修生だ。

　2年前に研修生を中心に結成されたJuice=Juiceが、高校生組2人と中学生組4人（当時）の2世代混成だったが、今回は全員がほぼ同年代。その中で中心メンバーになりそうなのが、浜浦彩乃だ。

　浜浦は、モーニング娘。9期オーディションに参加後、2011年に研修生（当時・ハロプロエッグ）になった。当初からその美少女性で注目度が高く、早いデビューが期待されていたが、チャンスはいっこうに訪れることはなく、いつしか研修生の中で最古参メンバーとなっていた。加入から4年、人気だけでなく、パフォーマンス力も蓄えてきた浜浦、今回満を持してのデビューとなった。「こぶしファクトリー」は浜浦を核として、年齢やキャラクターのバランスを考慮し、メンバーを選出されたと思われる。

　その浜浦と研修生の同期が田口夏実。小学生の時に研修生になって以来、レッスンとステージを重ね、着実に成長しており、昨年5月に行われた「ハロプロ研修生 公開実力テスト」では、浜浦とともに「審査員特別賞／歌唱部門」に選ばれている。この公開テストで「審査員特別賞／パフォーマンス部門」に選ばれた小川麗奈もメンバーに。3人は2011年から研修活動を続けているが、ハロプロリーダーの℃-ute・矢島舞美から新ユニット入り決定の知らせを聞いた時、浜浦は「もう（デビューのチャンスは）ないと思ってた」と顔を覆い号泣。3人で抱き合って喜ぶ姿が印象的だった（この模様は動画番組『ハロ！ステ』で紹介された）。

　浜浦は、後輩がデビューしていくのを横目に見てずっと悔しい思いをし続けてきた。もともと「音楽番組でモーニング娘。さんが歌っているのを観て、『カッコいいな』『私もこんなふうになりたい』って思ったから」（月刊デ☆ビュー2月号より）と、この世界に飛び込んだが、研修生の後輩たちがモー娘。メンバーになっていく中、自分がメンバーになれる可能性は低いと実感したのか、最近のインタビューでは毎回「モーニング娘。さんよりも有名なアイドルになりたい！」と口にしていた。

　これまでいくつもの“夢”が掌からこぼれ落ちる経験をしてきた3人、メンバー入りの発表を聞いた時には、さまざまな思いが頭の中を去来したのだろう。その悔しい思いは新ユニットを盛り上げる大きな原動力になりそうだ。

　3人以外では、和田桜子は一昨年の「公開実力テスト」で「審査員特別賞」に選ばれている。野村みな美はモーニング娘。10期メンバーオーディションへの参加を機に、2012年から研修生に。浜浦らに続くベテラン・メンバーだ。今回念願のデビューとなった。

　ハロプロのグループでは、これまで最年長メンバーがリーダーをつとめることが多いが、このグループでは藤井梨央が現時点で唯一の高校生で最年長。リーダーに選ばれる可能性は高いと思われる。余談だが藤井は、ハロプロリーダーである℃-ute・矢島舞美をとても尊敬しているが、その思いがエスカレートし、矢島が焼きそばを食べた時に使ったソースの空袋をジップロックに入れて大事に保存するという、かなりユニークな面もある。

　広瀬と井上は、ハロプロとは別に、つんく♂がプロデュースを手掛けていた「NICE GIRL プロジェクト」の研修生から、昨年秋にハロプロ研修生になったばかりで、今回の抜擢となった。広瀬は、「ハロプロ研修生になれただけでも嬉しかったのに…」と喜びで声をつまらせていた。

　こぶしファクトリーのメンバーは、3月26日より東京・池袋BIG TREE THEATERで上演される演劇女子部 ミュージカル『Week End Survivor』に出演するが、その会場限定で、初のDVDシングル『念には念/サバイバー』の発売が決定した。「モーニング娘。さんよりも有名なアイドルになりたい！」という浜浦の夢への第一歩ともなる。

　ハロプロ研修生には、今回新グループに選ばれたメンバー以外にも、図抜けた歌唱力を誇る段原瑠々や、将来性が期待される12歳の船木結など、まだまだ逸材が揃っている。今後のハロプロ研修生の動きから目が離せない。