人気アニメ『らき☆すた』を手掛けた監督・山本寛、脚本＆構成・待田堂子、音楽・神前暁（MONACA）が再び結集し、新作アニメ『Wake Up，Girls！』が製作されることが決定。同時に同作品のメインキャラクターを務め、かつ主題歌を歌う声優アーティストを新人から抜擢する『Wake Up，Girls！オーディション』が開催されることも発表された。同オーディションは声優プロダクション・81プロデュースとエイベックスグループが共同で行う第2回アニソンヴォーカルオーディションとして開催され、両社がデビューまでを完全バックアップする。

　『涼宮ハルヒの憂鬱』のシリーズ演出や『らき☆すた』の監督を手掛けた山本寛、『らき☆すた』『THE IDOL M＠STER』などのシリーズ構成・脚本を手掛ける待田堂子、『らき☆すた』のオープニングテーマ「もってけ！セーラーふく」でオリコンシングルランキング2位を獲得した作曲家・神前暁らが再び結集して製作する、オリジナル新作“アイドル”アニメーション『Wake Up, Girls!』。同作は東北を舞台とした7人のアイドルを目指す少女たちの青春群像劇となる予定で、山本監督はこの企画を1年以上温めてきたという。「一昨年ぐらいからの『アイドル戦国時代』という流れと、アイドルアニメブームのなかで、そこに僕が入っていない、声がかからないのだったら自分で作ろうと（笑）。そして昨年の大震災にどう向き合うかを考えたときに、東北にかかわる作品の一つとして、東北を元気にすることができるのではないかと考え、アイドルと東北を結び付けようという気持ちもありました」

　この作品の製作にともない、メインキャラクターを演じ主題歌を歌う「声優アーティスト」を一般公募のオーディションで発掘することも決定。これは山本監督の希望だ。「すでに名の売れた方々を使うということも考えたのですが、僕の持論として『アイドルは物語である』というのがありまして、アイドルはその背景にしょっている物語こそが醍醐味だと思っているんです。結成して、数人のお客さんから始まって、いろんな努力を経て紆余曲折を経てブレイクするという『夢』＝『物語』を与えてくれる人が真のアイドルだと思っているんです。その物語がアニメの物語性とシンクロするのではないかというのが、アイドルアニメを手掛ける動機の一つ。市井から集めてきた未知数の無名の人＝彼女たちがゼロから物語を作るということもこの作品にとっては大事で、合格者で作られたユニットと本編中のキャラクターが、絶妙なハイパーリンクを作ることでお互いに成長し刺激し合えればいいと思います。そういった意味で賭けの部分もあるのですが、一般公募をさせていただこうかと考えました」

　募集はすでにスタートしており、オーディションに応募しようと考えている人に対して、「オーディションで選ばれたキャストと寄り添って物語を紡いでいきたいと思っています。お互いに刺激を受けられる人、熱意のある人を求めています」（待田）、「アイドルソングは上手ければいいというものではなくて、完成された上手さより惹きつける歌声を持った原石と出会いたい。僕はちょっとした歌のニュアンスや声の出し方にキュンとくるタイプ。歌に自信がないという人も、眠っているものがあるかもしれないよといいたい」（神前）、「一つの挑戦であり賭けであるので、それに見合うだけの思い・夢をできるだけ共有していただける方々にエントリーしていただきたい」（山本）とそれぞれ語った。

　なおこのオーディションの合格者は81プロデュースとエイベックスグループが全面的にバックアップ。今回オーディションのオフィシャルサポーターとして登場した加藤英美里（81プロデュース所属）と福原香織（エイベックス・プランニング＆デベロップメント所属）は、「声優はほんとにいろんなお仕事が経験できるので、なれないかもとか思わずに、まずは参加してみてほしいです」（加藤）、「自分もあきらめないことでかなった夢もある。今回原石を探したいということなので、気軽な気持ちでチャレンジしてほしいと思います」（福原）とそれぞれにエールを送った。

　『Wake Up，Girls！オーディション』の締め切りは10月31日必着。応募要項は公式ページのほか、月刊デ☆ビューの公式サイトWEBデ☆ビューにも掲載されている。