不朽の名作『美女と野獣』プレミアム吹替版でベルに抜擢−昆 夏美 | Deview-デビュー
昆 夏美

撮影/mika 取材・文/根岸聖子

エマ・ワトソンを主演に迎え、ディズニー・アニメーションの名作『美女と野獣』をディズニー自身が実写映画化。4月21日の公開に先駆けて、プレミアム吹替版で主人公・ベルの声を担当した昆夏美に、直撃インタビュー。幼い頃から大好きだったという本作への想いをたっぷりと語ってもらった。
「恋愛だけでなく、いろんな愛が描かれている作品なので、大切な人と一緒に観たら、より心が温かくなると思う」
昆 夏美
――『美女と野獣』は、子供の頃から大好きな作品だったそうですが、初めて観たときのことは覚えていますか?
「それが明確に覚えていないくらい、本当に小さい頃だったんですよ。もともと、ディズニーの絵本も家にたくさんあって、映像も本も、幼稚園の頃には自然に観ていたと思います。『美女と野獣』はもちろん、そのほかのディズニー作品も生まれたときから自分の近くにあったもので、それこそ何回も何回も、くり返し観ていました。子供心に、『美女と野獣』の音楽や、ベルの黄色いドレスが可愛くて大好きだったところから始まり、大人になった今は、2人が相反する立場から少しずつ歩み寄よっていって、少しずつ歩み寄っていく過程にも、とても心惹かれています。その二人を陰ながら応援しているお城のキャラクターたちもすごく可愛らしいし、みんなそれぞれにドラマがありますからね。一人一人に愛があって、心が洗われるような物語で、だからこそ、ずっと世界中で愛されているんだなぁと、改めて感じました」
昆 夏美
――そんな風に世界中に、そして様々な世代から愛されている『美女と野獣』。今回の実写版ならではの良さは、どんなところにあると思いましたか?
「一ファンとして、“どんな風になるんだろう?”と、実写をとても楽しみにしていたのですが、こんなに映画で泣いたのは初めてというくらい、最初から最後まで感動しっぱなしだったんです。特に、野獣の過去や、ベルの幼い頃のエピソードは、アニメーションでは描かれていなかった部分でもあり、これがあるからこそ、よりストーリーにも入り込みやすくなっていて。実写だからこそのリアリティがあって、今の時代だからこそ実現できた映像になっているので、本当に期待していた以上の作品でした。華やかな部分も含めて、大人も子供も、男性の方が観ても楽しめると思います」
――ロンドンプレミアにご参加された際に、本作をご覧になったそうですが、現場はどんな感じでした?
「抽選で当たった一般のお客様と一緒に映画を拝見したんですが、生で観客の方々の反応を体感しました。お客様がみんな、“フゥ〜!”って歓声をあげて、拍手喝采でした。“うん、わかる! そういう気持ちになるよね!!”っていうのはすごく感じました(笑)。日本の映画館でも、そんなリアクションだったらいいなぁと思いました」
――現地では、エマ・ワトソンさんともお会いしたそうですが。
「はい。大スターなのに、とても気さくに私と山崎(育三郎)さんを迎えてくださって。『日本のベルと野獣の声を担当します』って言ったときに、『私の声を演じてくれて、ありがとう!(吹替えは)もう終わったの?』と、笑顔で話しかけてくれました。もちろん、野獣役のダン(スティーヴンス)さんも、とても優しかったです。こんな素晴らしい方たちが演じられた『美女と野獣』を、日本でもひとりでも多くのみなさんに観ていただけるよう、頑張らないとなって改めて思いました」
昆 夏美
――すごく好きな作品ということですが、オーディション受ける際はどのような想いで受けられたんですか?
「最初に『美女と野獣』が実写化されるというお話を聞いて、“エマ・ワトソンさんがベル役をやるんだ、ピッタリ! 早く観たい!!”って、一ファンとして思っていて。その後、ベル役のオーディションがあるというお話があり、受けさせていただいたんですが、まさか自分が大注目していたベル役のオーディションを受けられるなんて!と、最初に話を聞いたときは本当に驚きました。吹替えも初めてだったので、難しいなと感じる部分はたくさんありました。でも、“オーディションがこんなに楽しい!って思うのって久しぶりだな”って感じるくらい、オーディション自体はとても楽しかったんです。あのディズニーの、『美女と野獣』のベルが私の声で話すの!?って想像しただけでテンションが上がってしまいました(笑)」
――初めての経験で緊張や不安を感じるよりも、楽しいという想いが強かったんですね。
「緊張や不安というよりは、ワクワク感のほうが強かったですね。子供のころから繰り返しみてきたアニメーション版の吹替えの声は頭にずっとあったんですけど、今回はエマ・ワトソンさんのベルの吹替えなんだっていうことで、私の頭の中にあるアニメーションのベルの声は一旦忘れよう!と心がけつつ、臨みました」
昆 夏美
――実際に吹替えをやってみての難しさというのは、具体的にはどんなところでしたか?
「リップ(映像の唇の動き)に合わせて自分の感情を保ちつつ台詞を言わないといけない。そして、身振り手振りや表情はなく、とにかく声だけでの表現になる分、意識しなければいけないことが、いつもより多かったですね。例えば、私が感情移入し過ぎて涙が止まらなくなってしまうと、その声を実写の映像と合わせると、過剰な印象になってしまったりするんですよね。自分の感情を抑えて冷静でいなければいけない部分と、気持ちを乗せる部分とのバランス調整が、自分にとっての課題でした。やりながら少しずつ、掴んでいった感じです」
――不朽の名曲『美女と野獣(BEAUTY AND THE BEAST)』をはじめ、実写版でも数多くの名曲がとても豪華な歌唱シーンに仕上がっています。歌ってみていかがでしたか?
「自分の声であの名曲を歌えたときは、やっぱりテンションが上がりました! 自分にとっても大切な楽曲だし、きっと、作品のファンのみなさんにとっても大事な曲ですから、そこは裏切れないなと。自分が大好きだからこそ、そこは気をつけました」
――少し変わり者扱いされているけれど、自分の気持ちに真っ直ぐで周りに流されないベルについては、どんな印象を持ちました?
「ベルは自分を持っていて、人に流されない強さもあるけれど、最初のほうでお父さんに、『パパ、私って変わってる?』って相談するシーンがあるんですね。自分を持ちながらも、強いだけじゃなくて、ちょっと周囲とのギャップを気にしている繊細さも描かれていて。空気を読むとか、人に合わせるほうが、特に女性の場合は生きやすかったりするんでしょうけど、ベルの姿を見て、弱くてもいいから、自分を持っていると幸せに繋がるんだよっていうのは、伝わったらいいなと思います。周囲とのズレとか摩擦で落ち込んだりしたときも、ベルみたいに自分らしく前に進むことで、またエネルギーがもらえたりする。この作品は、そんな明日への活力にもなると思います!」
昆 夏美
――ラブストーリーとしてでなく、いろんな見方ができますね。
「そうなんです! 恋愛だけでなく、いろんな愛が描かれている作品なので、親子で観てもいいし、ご夫婦や彼氏・彼女、友人同士など、大切な人と一緒に観たら、より心が温かくなるような気がします。大人になった今だからこそ感じられる部分もあると思いますし、山崎さんもおっしゃっていましたが、野獣の心情や過去が細かく丁寧に描かれているので男性が見ても感動できる作品になっていると思うので、老若男女、いろんな人たちに、観ていただきたいですね」
――最後に、自分の夢を大事にして、デビューを目指すべく努力している読者たちへのメッセージをお願いします!
「夢を叶えるためには、続けること、努力するこということが大事だと思うんですけど、それは“好きだからこそ”なんですよね。叶えたい夢の軸は、好きかどうかが第一だと思います!私は毎日、歌を歌っているんですけど、それは私にとっては練習ではないんです。他の人からしたら、“毎日歌っている=練習している”って捉えられたりもすると思うんですけど、ただ、私は歌が大好きだから歌っているだけ、私にとっては当たり前のことなんです。もし、歌うことがあまり好きではなくて、やらなければいけないっていう意識だとしたら、続けることは難しくなるかもしれない。逆に、好きという気持ちが大きければ大きいほど、努力って苦にならないんです。なので、“私はこれが好きでたまらない。誰に何と言われても、止められない!”っていう感情を大事にして欲しいなと思います。私も、ずっとミュージカルが大好きで、その気持ちは、1日も、1分1秒たりとも消えたことはありません。好きでいる限りは続けられるので、それがきっと、夢の実現へと近づかせてくれると思います」
Profile
昆 夏美(こん・なつみ)●1991年6月28日生まれ、東京都出身。東宝芸能所属。『ロミオ&ジュリエット』のヒロインオーディションで、数多くの候補者の中を勝ち抜き、ジュリエット役でメジャー作品プロデビューを果たす。その後、ミュージカル『ハムレット』、『レ・ミゼラブル』、『ミス・サイゴン』など、様々な作品に出演。アーティストとしても活躍。5月〜10月にミュージカル『レ・ミゼラブル』、10月〜12月にミュージカル『アダムス・ファミリー』に出演が決定。
映画『美女と野獣』
4月21日(金)全国ロードショー
美女と野獣
美女と野獣
美女と野獣
© 2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
「ハリー・ポッター」シリーズでハーマイオニーを演じたエマ・ワトソンを主演に迎え、不朽のディズニー・アニメーション「美女と野獣」をディズニー自身が実写映画化。プレミアム吹替版では、ベルの声を昆夏美、野獣の声を山崎郁三郎が担当。
≪story≫
ひとりの美しい王子が、呪いによって醜い野獣の姿に変えられてしまう。魔女が残した一輪のバラの花びらがすべて散る前に、誰かを心から愛し、愛されることができなければ、永遠に人間には戻れない。呪われた城の中で、希望を失いかけていた野獣と城の住人たちの孤独な日々に変化をもたらしたのは、美しい村の娘ベル。聡明で進歩的な考えを持つ彼女は、閉鎖的な村人たちになじめず、傷つくこともあった。それでも、“人と違う”ことを受け入れ、かけがえのない自分を信じるベルと、“人と違う”外見に縛られ、本当の自分の価値を見出せずにいる野獣──その出会いは、はたして奇跡を生むのだろうか…?

公式サイト: http://www.disney.co.jp/movie/beautyandbeast.html
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