2018年4月11日に起こった突然の事故により脊髄損傷、両下肢麻痺になってしまった仮面女子・猪狩ともかが、『もう一度ステージに立ちたい！』という本人の熱い気持ちとファンの暖かい声援によって活動を再開。26日に、4ヵ月振りに秋葉原:仮面女子CAFEのステージに立った。

　今年4月、強風で倒れた看板の下敷きになり脊髄損傷、両下肢麻痺の状態になり、芸能活動はもちろん、通常の社会生活すら難しい状況に追い込まれた猪狩。しかしこの日、そんな悲劇を感じさせない向日葵のような笑顔で登場した猪狩は、仮面女子の楽曲『大冒険☆』パフォーマンス。

　この瞬間を待ち焦がれていた仮面女子メンバー、ファンからの歓喜「お帰りー」を受け取った猪狩は、最大限の感謝と喜びを込めて「ただいまー！」と応えた。

　「誰にでも起こる可能性がある事故で私の足は動かなくなってしまいました」と語り始めた猪狩。「『皆さんにスゴイ悲しい思いをさせてしまった』。そう思いました。『なんで私が？』と思ったこともあります。でも…毎日皆さんが力強い声援を送ってくれて、『待ってるよ』って言ってくれて、私には帰るべき場所があると言うことが、前向きに頑張れる原動力になりました。いまの私があるのは皆さんのおかげです。本当にありがとうございます」。

　そして今日、奇跡的にステージに立ったが「実は私はまだ、入院中です」と明かす。「8月末の京セラドームの西武ライオンズ戦にどうしても間に合わせたくて、その前に退院することを目標にしていましたが、途中で体調が芳しくない時期があり、そのことでリハビリが遅れてしまったりして退院の時期が伸びてしまいました」と復帰への焦りを告白。「でも、泊まりでの遠征の許可が降りたので、先日発表した通り、京セラドームに行けることになりました。一日でも早く退院できるように、これからも頑張って行きたいです！」と顔を上げた。

　そして『嬉しいお知らせ』も！　「私が応援している埼玉西武ライオンズの主催である、『ライオンズカップ車椅子ソフトボールの大会』の公式スペシャルナビゲーターに就任しました！」と、9月2日(日)大宮第二球場で行われる試合に参加し、就任式と、試打式を行うことを発表。

　続けて、メットライフドームでの打ち合わせ映像の中で、炭谷銀仁朗選手から始球式登板の提案をされるシーンが映し出された。9月9日(日)メットライフドームで行われる、埼玉西武ライオンズ対千葉ロッテマリーンズの試合で始球式を行うことが決定したのだ。「去年の9月8日、私は小さな頃から夢だったメットライフドームで始球式をすることが出来ました。でも、予想もしていない事故に遭い、下半身が全く動かなくなってしまいました。9月9日は、新たな猪狩ともかの始まりだと思ってしっかり投げさせていただきます」と決意を語った。猪狩は、かねてから公言している「車いすでのノーバウンド始球式」に向けて特訓を始めているという。

　そして最後に年末発売の仮面女子の曲の作詞を担当することも決定。「誰にでも起きる可能性がある事故で急に人生が変わってしまった私が、前を向いて強く生きて行こうと思っています。同じような境遇の方はもちろん、何かに悩み、下を向いてしまう…そんな人たちへの応援ソングを作れたら良いなと思って精一杯頑張ります」と誓った。

　絶望的な状況に陥りながらも、そこから必死で顔を上げ、明るく前を向く猪狩。様々な試練を乗り越えながら夢を叶えていく姿は、100の言葉で語るよりも多くの人に勇気を与えるはずだ。