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2017/02/07 18:01
元アイドリング!!!伊藤祐奈、次世代アイドルをプロデュース! 大学3年生で会社を起業した今「アイドルへの想い」を語る
アイドルグループ「アイドリング!!!」のメンバーとして5年間活動し、芸能界を引退した伊藤祐奈が、2016年12月、自身が代表を務める株式会社TKMKを設立して起業家へと転身。アイドル活動経験を活かし、女性アイドルプロジェクト『トキメキアイドルオーディション』をスタート、7日よりメンバーを募集する。その募集をバックアップするオーディション情報サイト「デビュー」は、伊藤にインタビュー。起業のきっかけからアイドルプロデュースへの想いを聞いた。
■株式会社TKMK 代表取締役
伊藤祐奈インタビュー
――アイドリング!!!を卒業して、芸能界から離れていた「空白の1年半」は一体何を?
「“いったい何がしたいんだ? 伊藤祐奈!”ってことを結構言われていたので。まあ最後は、『会社を設立しました!』ということになりましたね。それまでは普通の女子大生として生活していました」
――普通の女子大生としての生活は、やっておかなければいけなかった?
「そのまま大人になるのが、自分としては不安だったというのが一番大きいです。14歳でアイドリング!!!に加入して、中学から高校、20歳まで、青春のすべてをアイドリング!!!で過ごしたので。アイドリング!!!にいたからこそ得られたものもたくさんあるんですけど、いたからこそ得られなかったものが、そういう『普通の生活』。アルバイトをしたり、いろんなところに出かけたりという経験をしておきたいということを、どこかで思っていたんです」
――大学に入ってからはカナダへの留学も経験したそうで。
「留学もひとつの夢でした。英語の授業をちゃんと受けて来た訳ではなかったので(笑)。人並みレベルには追いつきたいなと、基礎を学び直して臨みました。日本から出て生活することで、日本のいいところも悪いところも見えると思ったんです」
――この留学が大きな刺激になったようですね。
「刺激しかなかったです! まず、一人ひとりがしっかり自分の意見を持っていること。日本人のいいところでもあるんですけど、『譲り合い精神』や『想いやり』が強いから、“自分はこれが食べたい”って思っても、“何でもいいよ、合わせるよ”みたいに自分の意見を抑えることって多いですよね。でも留学先の子は“私は肉が食べたい!”“パスタが食べたい!”って言い出したら全く意見が揃わなくて、結局全然違うファストフードに行くことになったり(笑)。一人ひとりが自分を強く持っていることを感じて、いい所は日本に持って帰りたいって思いました」
――そこで自分を見つめ直すこともできました?
「アイドルも表現者なので、いかに自分を可愛く見せるかとか、ファンの人に知ってもらうにはどうすればいいかとか、キャラクターや個性はすごく大事ですよね。そのなかでも私は、自分を持っているほうだと思っていたのに、海外に行ってみたら、自分って全然何もないんだなって気付かされて、本当に毎日が挫折でした。アイドル活動でも挫折はたくさんありましたが、また違った挫折、人間性としての挫折みたいな(笑)。でもそれがいい意味で刺激になりました。私、叱られて伸びるタイプなので。まずは英語が話せないと全く相手にしてもらえないから、毎日帰って5時間ぐらい勉強して克服していきました」
――人としても強くなったようですね。
「初めて親元から離れて生活して、自立の一歩を踏み出しました。身の回りのことはすべて自分でやったし。帰る一週間前ぐらいにi-Phoneが壊れて、海外で一人で連絡手段がないままになっても、ちょっとサバイバル的な感じで生きていけたので(笑)。いろいろといい経験がたくさんできたので、本当に強くなったと思います」
――そういうことの積み重ねから起業を思い立ったんですか?
「留学先で出会った子達は、みんなビジョンを持っていて、人に何を言われようが自分がいいと思ったらいいという思考があって。『自分のやりたいことをやる』って普通のことなんだなって感じたんです。振り返って自分のやりたいことは何かと考えてみたら、私は今でもアイドルって素敵な職業だと思っていて、自分がプレイヤーとしてアイドルを続けていくことは不可能ではないと思うんですけど、もう少し違う角度からアイドルと関わっていく仕事をしてみたい……って考え出したらやりたいことがどんどん出てきてしまって。アイドルプロデュースとか、アイドルを絡めたブックを作りたいとか考えていくうちに、これを全部出来る仕組みって、会社だな!って思ったんですね。人生一回だし、やって損は無いと思ったので、じゃあ起業しようっていう決断に至りました」
――やりたいことが先にあって、それを実現するベストな方法として会社を興すことを考えたというわけですね。今ちょうど『アイドルは素敵な職業』という言葉が出たので、伊藤さんのアイドル観について聞きたいんですが。以前のインタビューで『10代の一番素敵なうちに終わりたかった』という意味のことを言っていたんですが、アイドルはその短い瞬間に輝くからこそいいものなのでしょうか。
「私、松田聖子さんがめちゃくちゃ好きで、今でも『アイドル』だと思うし。そういう方もいるなかで、今の時代のアイドルの醍醐味って、普通の女の子のシンデレラストーリー。その子がアイドルとして確立していく過程の部分だと思うんです。私自身、若い子が頑張っている姿を見るのが好きなので、その一番いいときに終わりたいなという考えで、アイドルを辞めたんです」。
――アイドルを辞めるころには、裏側に回ることも考えていたんですか?
「考えていました。でも中に入って目の当たりにすると大変じゃないですか? アイドリング!!!はスタッフの仕事がすごく見える現場でもあったので。そのころはプレーヤーで必死でしたが、アイドルって一人じゃ成り立たない仕事。ファンの方がいて、スタッフの方がいて、取り上げてくださる取材の方がいて…いろんな人が集まってやっとアイドルができる。自分がアイドルグループを手掛けるときには、その両側を知っているからこその良いアイデアが出せることもあると思っています」
――アイドルグループの特別なところに、『メンバー』というものがあります。友達でもないし、家族でもないけど、濃密に関わる存在で。ビジネスパートナーというにはドライではないし…。
「そーです!! なんて言ったらいいのか…メンバーって不思議な存在で。メンバーはメンバーなんですよね、もはや、そうとしか言いようがないぐらい。家族に近いし、友達でもないけど、友達にもなれる、七変化するような感じ? そしてみんなが一丸となったら凄いパワーを出す。メンバーって不思議ですよね(笑)。私の場合は同期と学校がずっと一緒だったりしたので、その辺は“きょうだい”に近い感じでした」
――10代の子たちがグループアイドルの活動を経験することで、得られるものがあると信じている?
「私は本当にアイドリング!!!に感謝しかないぐらい、いろんなことを学ばせてもらったので、絶対に無駄なことはないと思うんです。青春を捧げたことにまったく後悔をしていなくて。だから10代の女の子たちにも経験してもらえたらいいなって思います。アイドルは普通だったら出会えないような数の方々と出会えるじゃないですか。そういう経験ってすごく大事だと思う。芸能活動というより、アイドルというものをもっと身近に考えてもらって、理解が広がっていけばいいのになって思います」
――アイドルってリアクションが直に返ってくる仕事ですよね、ライブしかり、握手会しかり。
「文字通りのライブだけじゃなくて、直接触れ合えたり、全てがライブで生。アイドルってライブ感が一番大事だと思う。人と話せる機会も多いし、人に見られる機会も多い。そしてその場で笑顔や反響が返ってくるのが魅力なんです。私、アイドルをやっていて、人のために頑張るのが好きだってことに気付いたんです。自分のためだけだったら全然頑張れないけど、ファンの人がいたから頑張れたし、メンバーがいたから頑張れたし、皆のためにオリコン1位を獲りたいから頑張ったし。だから、そういう思いでこれからもサポートする側の仕事をしていきたいんです」
――会社を設立した今、どんなことから始めますか?
「私の夢として、アイドルグループのプロデュースのために今動いています(※下記募集要項参照)。そして『マイナビティーンズラボ』研究員としての10代のためのお仕事と、イベント制作をやりたいと思っています。アイドルに関わるフェスも考えていて、ファンの人に視点を向けたイベントを組みたいと思っています。今はまだ練り練り中なので言えませんが(笑)」
――10代のためのお仕事ということで、ティーンを支援する活動も考えているようで。
「今のティーンの女の子に“何歳で結婚したい?”って聞くと、22歳とか23歳って言う子が多いらしくて。それって大学を卒業して就職する年じゃないですか。でも将来が描けないから取りあえず結婚、みたいな子が多いということを聞いて。だから、もう少し人生について、明るくもっとたくさんの夢があって、5年後10年後を描けるような社会にできたら、そんなサポートをしていけたらなって思っています」
――今の10代についてどんな印象をもっていますか?
「もっと若者は夢を持って、やりたいことをやってほしいです。思ってるだけじゃなくて、言ったもん勝ちなのでどんどん口に出していこう! 私も実際そうでしたが、将来の職業のことって確かにわからないんですよね。だから今20代で活躍している人たちが、女子高生や、将来について考えている人たちとお話しする機会を作ることによって、もっと夢の選択肢を広げてあげたいなって思うんです」
――アイドルとして、いろんな年代層の人と触れ合えた経験は大きかったですか。
「握手会で、本当に年齢も性別も様々に違う方々とお話をすることで、その人の人生も一緒に生きてる感じがするんですよ。一回の握手会で何百人の世界に入れるのがすごく楽しくて、私は握手会が凄く好きでした。やっぱり何歳になっても悩みは尽きないんだな〜って思うし(笑)」
――アイドルグループの募集が7日から始まりました。募集についても教えてもらえますか?
「『トキメキアイドルオーディション』と題して、『カワイイ』×『元気』でいろいろなことに挑戦していける、10〜18歳の笑顔が好きな女の子を募集します。本当にゼロからのグループなので、大人がコンセプトをガチガチに決めて型にはめるよりは、集まって来た子たちの等身大の姿を見たい。その子たちのファッションや感性も活かして、自分たちで作っていく感じも出していきたいですね。一回一回のライブを全力で大事にするということも大きなテーマで、10代のパワーを活かして、3年目ぐらいにちゃんとした大きなステージに立てるようにしたいです」
――この記事を読んで、応募を考えている子たちにメッセージをお願いします。
「本当に人生が変わると思うので。アイドルが好きな子はもちろん、自分を変えたいという子にもこのチャンスを掴んでほしいと思います。本気でやる気がある子は、私は全力でプロデュースしたいと思っているので、そこはご心配なく飛びこんで来てください!」
――元々デビューを読んでいてアイドルになった伊藤さんが、デビューでアイドルを募集する番になりました。
「私、デビューする前、普通に『デ☆ビュー』を買ってましたから。そんな人がデビューを使って募集をするという『ストーリー』が繋がりました! 実際13歳のころに買ってたんですけど、そのときの自分に言ってあげたいです。“そんなワケない!”って言うと思いますけど(笑)」
『トキメキアイドルオーディション』は7日から募集を開始。応募資格は10〜18歳の女子。応募の要項はオーディション情報サイト「デビュー」に掲載中。