女優・川栄李奈が、11月11日から27日、Zeppブルーシアター六本木で上演される舞台『あずみ〜戦国編』で主演を務める。前作『AZUMI〜幕末編』の演技では各方面から高い評価を得たが、さらにスケールアップした舞台に挑む川栄にインタビューした。

■川栄李奈インタビュー■

――舞台『AZUMI〜幕末編』での川栄さんの評価は非常に高かったです。それは自信になりましたか？　それともプレッシャー？
「ありがたいなと思いながらも、周りからの評価というのはあまり気にしていなくて……。楽しく演じきれたことが良かったなと思っています。ただ今回は、さらに殺陣をうまく見せられるようになりたいし、周囲にも気を配れるようにやっていきたいと思っています」

――前作でも初めてとは思えないほど迫力のある殺陣を披露していました。
「稽古場では今回も共演する早乙女友貴さん（美女丸役）がつきっきりで教えてくれました。自分でもおもちゃの刀を買って復習したりもしました。その刀は前回の千秋楽後に捨ててしまったのですが、お母さんがまた買ってきてくれたので（笑）、今回もそれで復習します！」

――「350人斬り」など、複雑な殺陣をどのように体得したのですが？
「ひたすら覚えるしかありません（笑）。相対する役者さんで覚えたり、セリフを言いながら切るシーンではセリフを目印にしたりします。元々、身体を動かすことは好きですが、殺陣そのものはすごく難しいです。殺陣は型がとても大事なんですよね。だけど、自分で“できているな”と思っても、鏡で確認すると動きが汚かったりして……。今回も私の宿敵を演じる早乙女友貴さんは、殺陣が本当に上手な方なので。前作では早乙女さんをはじめ、舞台や殺陣の経験が豊富な役者さんたちよりも強く見えなくてはいけなかったし、覚えることに必死すぎました」

――演出は前作に続いて岡村俊一氏。岡村さんは制作発表会で川栄さんを“容量の多いハードディスクを備えた性能のいいコンピューター”と評していますが、岡村さんの稽古はどんな感じですか？
「すっごく頭を使います。稽古をしながら、台本がどんどん変わるんです。ごっそり10P分、後ろに移動することもあれば、その場その場ではける位置も変わるし、細かいところの微調整も多くて、覚えるのが大変でした（笑）。今はまだ稽古前ですが、今回も本番までにかなり台本が変わるんじゃないかなと思っています」

――あずみの役作りについて話し合いやアドバイスはありましたか？
「話し合いというのは特にないんですが、岡村さんは稽古中に私が何かのセリフを言うと、それを拾って“このセリフをどう思っているか”と気持ちを聞き、逆に私の気持ちをセリフにしたりもするんです。だから、みんなで作り上げていく感じのする芝居ですね」

――今の若者は時代劇に触れる機会が少ないと思いますが、時代劇、そして今回の舞台の見どころについて教えてください。
「私もあずみを演じるまで、時代劇をほとんど観たことがなかったです。だから、台本を読んだときに、昔と今とでは人が生きる環境が全然違うと思いました。昔は死がもっと身近で当たり前にあったんですよね。友達の死に直面すること、好きな人を自ら斬らなくてはいけないことがどれだけ悲しく、辛いことかを伝えられたらと思います。そして、それでも強く生きていた子がいたんだということを知ってほしいです」

――最後に、芸能界を目指している『デビュー』の読者にメッセージをお願いします。
「夢って自分のやりたいこと。やりたくないことをずっとやっていくのは辛いけれど、自分がやりたいことなら人から見たら辛いことでも楽しいと思います。だから、目標に向かって挑戦していって欲しいです！」

　舞台『あずみ〜戦国編』は11月11日から27日、Zeppブルーシアター六本木で上演。なおインタビューの全文は、オーディション情報サイト「デビュー」に掲載中。