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2015/10/22 18:34
セブンティーン専属モデル・古畑星夏、映画『夏ノ日、君ノ声』で女子高生の揺れる気持ちを好演
『セブンティーン』専属モデルで女優の古畑星夏(19)が、24日公開の映画『夏ノ日、君ノ声』に出演する。17歳の高校生・戸上哲夫(葉山奨之)と、難病を抱えたヒロイン・高代舞子(荒川ちか)のひと夏の出会いと別れ。そして、喪失感から再生に向かう14年後の現在の哲夫の姿を2つの時間軸を交錯させて描くラブストーリー。その主人公・哲夫に密かに想いを寄せる同級生・森野ユカを好演している古畑に話を聞いた。
――『夏ノ日、君ノ声』は、切ないラブストーリーですが、美しい映像とキャストの瑞々しい魅力で爽やかな印象の残る映画になっていますね。
「ナチュラルな感じでストーリーが進んでいくところが好きです。哲夫(葉山奨之)と舞子(荒川ちか)が自転車でニケツ(二人乗り)して海に行く、そんな二人の空間が大好きでオススメです! そういう空気感があるからこそ、切ないシーンが効いて来るのかなと思いますし。二人が可愛くてキュンキュンするところも、切ない部分も観てほしいです」
――古畑さんが演じた森野ユカはどんな子ですか?
「ユカはしっかりしている女の子だなと思いました。哲夫は舞子の事が好きだから“舞子に助かってほしい”とか良い方向にしか考えないんですが、舞子はずっと病院のなかにい続けるという現実を“わかっているの?”とちゃんと哲夫に言わなきゃいけないっていう思いを持っているんです」
――舞子に対して、思わず「住む世界が違う」とひどい言葉を投げつけてしまって、すぐに後悔するところなど、ユカの揺れる気持ちが丁寧に描かれています。
「病気の人に対してそんなこと言っちゃいけないなんてもちろん分かっているけれど、実際にこういう立場になったら仕方がないのかなとも思うし……。そういう複雑な気持ちもナチュラルに描かれていると思います。誰が正しいというわけでもなくて」
――舞子と対峙するシーンを演じてどうでしたか?
「舞子は生まれつき耳が聴こえず、言葉を発することもできないので、そのシーンは台詞を筆談でやりとりしたんです。そんなことは初めてだったので新鮮でしたし、緊張しました。舞子にも大事なことを伝えなきゃいけないという想いもあったので、切なかったです。女のバトルみたいな部分は可愛いなとも思いましたけど」
――監督からはどんな指示がありました?
「キャラクターについての細かい指示よりも、“ちゃんと伝えなくちゃいけないことは伝えてあげて”というナチュラルな感じの演出だったので、そこだけは大事にしました」
――ユカは哲夫のことをハッキリ「好き」という場面はないじゃないですか。そういう意味で恋には不器用な女の子なのかなと思いました。
「一途で不器用……でも、ちゃんと言わないけど、ずっと哲夫のことを見てきているのは“私”だし、14年後の現在に戻っても一番支えているのは“私”だったという想いがあるので、強い女の子だなと思います。好きだという想いを伝えられないところは可愛いですし、そういう女の人も実際多いのかなと。ずっと一緒にいたい、この人じゃなきゃダメだって思うから一緒にいるわけで、言葉に表せなくても気持ちが通じているという関係は、いいなって思いました」
――でも哲夫がユカをぞんざいに扱うシーンが多くて。
「かわいそうなんですよね(笑)。でもお互いを分かっているからこその距離感が表現されていると思います。そして、その後も関係が14年間続いているというのは良かったなあと」
――古畑さんの出演するパートは14年前、2000年のお話なんですよね。女子高生もルーズソックスで。
「私、ルーズソックスを初めて履いたんですよ! 新鮮でした! あ、これが2000年か!と(笑)。スカートも短すぎて“え? これ大丈夫?”って。その頃の女子高生は大胆だなあと。でも自分が経験していない世代の女子高生ファッションが着られてよかったです。私の高校時代は“紺ソ(紺のハイソックス)”で、スカートもあそこまで短くなかったし」
――葉山くんや荒川さんら同世代キャストとの仕事はどうでした?
「この時、ちかちゃんは中学3年生だったんですけど、演技をしていて圧倒されました。葉山くんは、普段演技をしていないときはすごく面白い人なのに、演技に入ると顔が変わる、そのギャップに驚きました。みんなからすごく刺激をもらったし、勉強になりました」
――この映画の見どころをお願いします。
「恋愛のこと、そしてちょっと結婚の話も出てきて、そこには楽しいことや辛いこと、どうにもならないこともある。そういう全てがリアルに描かれている映画です。大切な人を失っても、自分の人生は続いていくわけで、そういう生命力や生きるためのパワーをもらえる素敵な作品だと思います。キュンキュンする部分はキュンキュンしてもらって、悲しくてちょっと考えさせられる部分は一緒に考えてもらって。いっぱい笑って、いっぱい泣いて、いろんなことを感じながら観てほしいです。現在の30代の哲夫とユカのエピソードもあるので、大人の方にも“昔はこういう恋愛もあったな”って思い出して共感してもらえると思います」
――では、「デビュー」というサイトなので、「デビューのきっかけ」を聞きたいと思います。
「ファッション誌『ニコラ』のモデルオーディションを受けてこの世界に入りました。『ニコラ』という雑誌自体知らなくて、芸能界への憧れもなかったんですけど、幼稚園からの幼なじみが“一緒に応募しようよって”誘ってくれたんです。でも、私が“応募したよ”って言ったら、その友達は“やっぱりやめる”って、一人で応募した形になってしまって。“一緒だから応募したのに”と、そのときは嫌だったんですが、今思うとその子が誘ってくれなかったらここにはいないわけだし、すごく感謝しています。今でもその友達とは仲が良くて、応援してくれています」
――モデルや芸能界への憧れが無かったのに、今まで続けて来れたのはなぜですか?
「ファンレターをもらったり、ファンの子に応援してもらえることが嬉しくて“もっと頑張ろう”と思えたからですね。自分の作品を見ると課題が見つかって、“次も頑張ろう”ということの繰り返しで。それは大変なことでもあるけど、やっていて楽しいです。作品が出来上がって、自分の仕事の結果が貯まっていくのが嬉しいし、もっと増やしていきたいというのが原動力になりますね」
――これからの目標は?
「女優の仕事もモデルの仕事も並行してやっていきたいと思います。モデルのお仕事で、洋服やメイクなど流行のものに一番最初に触れられるというのは嬉しいし、自分に合うものを試せる機会がたくさんあるのが楽しいです。女優の仕事は本当に難しくて、勉強中で、まだまだ上に行くには全然足りないことは分かっています。でも段々とステップアップしていく自分が楽しいし、いろんな演技が出来る女優さんになるのが目標です。今まで自分は明るい女子高生とか、“ザ・女の子”というキャラが多かったんですけど、ちょっと暗めの“あの子不思議だよね”っていう女の子も演じてみたいです」
――それでは、これからデビューを目指す人へのメッセージを。
「楽しいだけじゃなくて辛いこともたくさんあるけど、辛かった分だけ、成功したときの嬉しさは倍になると思います。辛い時こそ前向きに、明るく、自分の夢を追いかけてもらいたいですね」
映画『夏ノ日、君ノ声』は、10月24日(土)より角川シネマ新宿ほかにて公開。(配給・宣伝:ユナイテッド エンタテインメント 公式HP:http://natsunohi.united-ent.com/)