モーニング娘。のダンスカバー動画投稿をきっかけに結成された、素人出身の踊り手による10人組男性ダンスボーカルグループ「むすめん。」が21日、『ウタ娘』（テレビ埼玉）の公開収録イベントを渋谷タワーレコードで開催。当日、リーダーの白服とサブリーダーの気まぐれプリンスが、オーディション情報サイトの「デビュー」の取材に答え、中野サンプラザ公演の感想や、これからの展望について語った。

　『ウタ娘』公開収録は、緊急開催にも関わらず、多数の女子が応援に駆けつけ渋谷タワーレコードの地下は満員状態に。今回はメンバーから6名が登場し、中野サンプラザで行われた全国ツアーファイナルの裏話や、暴露トークの数々を披露。ファンは大きな歓声で応えた。

　このイベント直前、リーダーの白服、そしてサブリーダーの気まぐれプリンスに「デビュー」がインタビュー。

――“ハロプロの聖地”中野サンプラザ超満員のライブおめでとうございます。まずはその感想を。

白服「客席からファンとして観ていた立場だったので、いざステージに立ってみると。何回か来た中野サンプラザではあるんですけど、まるで見える景色が違っていて、ああ、ステージから見える景色はこんな感じなんだって、感動もひとしおでしたね。しかも単独でしたから」

気まぐれプリンス「ハロプロの聖地であることはもちろんなんですけど、僕たちが3年3ヵ月ずっと追いかけてきた夢のステージで。しかも意外と客席が近く感じて、お客さんの顔が見えて、ああ、あの子あのときから来てくれてる、とか見えたりして。いろんな場面で応援してくれていた人が、この日のために来てくれて。そういうことをステージから感じ取れて、来てくれてありがとうと言う気持ちが強かったですね」

――全国ツアーで各地を回ってからのファイナルですからね。

気まぐれプリンス「全国ツアーに来てくれた人もいれば、なかなか仕事で来られなかった人が“今日だけは仕事を休んで行きます”というお手紙をくれたりしていたので」

白服「中野サンプラザは僕たちの夢であるんですが、ファンの人たちも“叶えたい”という同じ夢を持った存在なんだと思いました」

――普段とは違うステージだからこそできた演出や、パフォーマンスについて教えてもらえますか？

白服「むすめん。として、ステージで初めてセットを使ったんですよ、階段とか。だから不安もあったんですよね。セットを上手く使えるのか？って。当日まで実際に階段で練習ができなかったものですから。床にテープを貼ったイメージで練習をしていたんですが、無事に予定通りパフォーマンスできて良かったなと思いました」

――ライブハウスやイベントステージとはギャップも大きかったのでは

白服「元々フォーメーションが決まっている曲でも、違う動きをすることがあって戸惑うことも多かったんですけど、階段に座ったり、セットならではの演出ができたことも良かったなと思います

気まぐれプリンス「僕たちはモーニング娘。さんのコピーダンスから始まったグループなので、サンプラザでももちろんモーニング娘。さんのコピーをしたいという想いもあって。今回のセットリストにも何曲か入れさせていただいたんです。『Fantasyが始まる』という曲で、本家のモーニング娘。さんがしてる演出をオマージュでやらせていただいて、そのときに不思議な気持ちになりました。いつも観て“すげーかっこいいーっ！”て思っていた演出を僕たちがしていることを、誇らしくもありやっぱり不思議な気分でしたね。あの演出でリスペクトの気持ちが伝わってたらいいですね」

――実際に石川梨華さんがサプライズで来たじゃないですか！

気まぐれプリンス「ヤバかったです！」

白服「全く知らなかったので、最初ホントに腰を抜かしました。以前、別のイベントで石川梨華さんと共演させていただいて、そのときに石川梨華さんがブログで“また一緒に踊りたい”って言ってくださっていて。このサプライズの話を受けてくださって本当に感謝しています。登場のときに歌っていただいた曲が『好きすぎて バカみたい』という曲で。モーニング娘。本体のシングル曲とかではなくて、ユニット曲（DEF.DIVA）というチョイスも面白かったですね」

気まぐれプリンス「僕は次のコーナーに行こうとして、はけようと思ったらその曲が流れて、戸惑ってたら肩を叩かれたんですよ。振り返ったら目の前に『梨華ちゃん』がいて、初めて僕、人に対して驚きましたよ。あとでツイッターでみんながリプをくれて“あの時はプンちゃんホントにオタクだったよ”っていってくれて（笑）。あそこは素の自分が出てしまったなと思いました。あと石川梨華さんが『かしまし物語』を嬉しいって褒めて下さって。元々『女子かしまし物語』って曲があって、僕たちもオマージュを捧げて『男子かしまし物語』って替え歌を作って歌っていたんですけど。昔、石川梨華さんが所属していたころの曲をやってくれてて嬉しい、というコメントもしてくれて。嬉しかったというか、若干恥かしかった（笑）」

――そういうエピソードも含めて、いわゆる「素人集団」があそこまで行けたというのはスゴイ快挙ですよね。

白服「こういう時代だからこそ出来たことかなと思うんですよね。インターネットで発信ができて。モーニング娘。さんのカバーをするにあたっても、僕らの動画をつんく♂さんにも観てもらえたりだとか。世界の人にも簡単に届けられるようになってきたからこそ、僕たちみたいな素人から始まった男子たちでも出来た、夢のような話だなって思います」

気まぐれプリンス「学生やお仕事をしながらの活動だった僕たちに、これだけの方が応援しようと思ってくれたことに驚きもあります。いろんな人の想いが重なっての夢のような話だなって。自分達が歩んできた道ではありますが、奇跡が続いていると思います」

――むすめん。の活動一本で行きたいという宣言もあったそうで。今後むすめん。について現時点で考えていることは

白服「むすめん。に本腰を入れていきたいって宣言した以上は、プレッシャーもあるわけですよね。今までのように良いものを作っていきたいという想いももちろんあるんですが、ファンの方たちは“そこまで言うんだったら、もっとちゃんと出来るんだろうな”って、そういう期待を裏切りたくないし、期待以上のものを見せて行きたい」

――一方で、いい意味のアマチュアリズムも支持されていると思います。

白服「今まで芸能事務所に所属せずにここまで大きくなってこれたのは、むすめん。のいい意味で素人っぽいところが支持されているのだと思います。できるだけお客さんの気持ちを理解しよう、できるだけお客さんの目線でいろんなことを考えていけたらいいなって想いがあるので、もちろん変わっていかなきゃいけない部分もあると思うんですけど、そういう意味でいままでのアマチュアらしい精神を忘れたくないですね」

気まぐれプリンス「むすめん。の良さって、アットホーム感で。例えばメジャーのアーティストさんが私立高校だったらオレたち公立高校っていう（笑）。一つ一つのイベントをお客さんと一緒に歩んできたと思うんですよね。これからも変わるかも知れないんですけど、お客さんと一緒に歩んでいくんだという気持ちは絶対に変わらないでいたいと思います」

――さきほどの「オタクの顔に戻っちゃう」っていう話のように、好きなものを突き詰めているところがいいんでしょうね。

気まぐれプリンス「変わろうと思っても、僕たち何年経っても根本は変わってないんだろうなって思うんです（笑）。でも、パフォーマンス面とか、変わらなきゃいけないところはあります」

――「デビュー」はオーディション情報サイトなので、これから世に出て行きたい人に向けてのメッセージをいただけますか？

気まぐれプリンス「デビューというサイトに載せてもらうんですけど、実は僕たちデビューしてないという（笑）。何様だよって思うんですけど。でもネットで自分たちのことを発信できるというのはスゴイ時代だと思います。自分の好きなことを貫き通して、それを認めて受け止めてもらえる文化がある。僕の場合は、ただハロプロが好きだということを個性として発信できたからこそ、皆さんに見つけてもらえたのかなと思うんですね。だから、言えることは、好きなことにとことん突き進んでほしいということです」

白服「僕は本当にハロプロさんを尊敬しているので、むすめん。もそういう存在になりたいと思っていて。メンズのハロプロじゃないですけど、むすめん。とは別に一緒にやっていくユニットがあったり、それこそ昔の『ハロプロキッズ』みたいな、『むすめんキッズ』ができたら面白いって思うんです。僕は昔から雑誌の『デ☆ビュー』さんを買ってオーディションに応募していたんですけど、当時は全然上手くいかなかったんです。でもそれから何年か経って気付いたらこういう風になっていて、本当に人生何が起こるか分からないなって思っています。いろんな道があるんだと実感しているから、皆さんには諦めないでほしいと思います。むすめん。キッズを募集することがあったら是非応募してみてください！」