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2015/03/16 21:09
元自衛官から声優への転進も『第九回声優アワード新人発掘オーディション』開催
年度毎に印象に残る活躍をした声優を称える『声優アワード』の誕生とともにスタートし、今年9回目を迎える『声優アワード 新人発掘オーディション』が7日、文化放送メディアプラスホールで開催された。23社の声優事務所が声優志望者を同時に審査する『スター誕生』形式のオーディションから、今年も未来のスター声優のタマゴが多数スカウト。様々な想いで集まった合格者たちに話を聞いた。
この日、1300通以上の応募の中から書類選考を通過した35名がホールに集合。同日『第九回声優アワード』の授賞式が行われるのと同じステージで最終審査を行うのが新人発掘オーディションの特別なところだ。今年から審査は2部構成となり、1人ずつステージに上がって約2分間の自己PR、テキストリーディング、休憩を挟んで2人1組になっての掛け合い台詞、質疑応答の順で進行していった。
2分間の自己PRでは、幅広い役柄の声で自己紹介したり、歌を歌ったりとそれぞれ自分のセールスポイントをアピール。今年から採用された掛け合い方式の演技審査は、相手役との間やバランスの取り方等、演技のセンスも伺えるものとなった。審査員からは演技プランなど突っ込んだ内容の質問が出たり、「役を入れ替えて演じてみて」などの要求もあった。
審査結果の発表は例年通り、1人ずつステージに登壇し、審査員がスカウトを希望する出場者に対して札を挙げる形式で行われた。今年は最高10社からの札が上がった出場者をはじめ、17名の合格者が誕生した。合格者は今後ドラフト会議のように各事務所と所属に向けての交渉に入る。
合格したメンバーには、最終審査当日が卒業式だったという女子校生から元自衛官の男性までその出自は様々。このオーディションでスカウトされた声優のタマゴたちのなかから、『声優アワード』の授賞式で再びこのステージに立つ人材が輩出することを楽しみにしたい。
■『声優アワード 新人発掘オーディション』合格者インタビュー■
★田村 悠さん(たむら・ゆう/21歳・東京都出身)
「役者になりたくて、中高生のとき片っ端からオーディションを受けまくっていたんですけど、大学で付き合っていた彼女に“何のために頑張ろうとしているのか分からない”という理由でフラれまして。今一度、自分が何のために生きていきたいのかを考えたとき、“役者をやりたい”という気持ちに還って来ました。そもそも役者を目指したきっかけが『スパイダーマン』とかアメコミのスーパーヒーローなので、声優としてスーパーヒーローを演じたいし、永く多くの人から愛される作品のど真ん中に立っているキャラクターを演じたいと思っています」
★中崎超也さん(なかざき・たつや/23歳・高知県出身)
「高校を出たあと、知り合いが在籍していた自衛隊に入隊しました。1年目に、雪山での演習で凍傷で死にかけたとき“帰る場所があるって幸せだな”と感じて、せっかく生きているならやりたいことをやろうと思ったんです。貯めたお金で、アナウンサーになろうと専門学校に進んだんですが、実は声優科で。でもそこで学ぶうちに、声を使った表現者が目標になりました。憧れているのは声の存在感がすごい文学座の斎藤志郎さん。ナレーションにも興味があるので、ドキュメンタリー番組などで人の一生を追いながら寄り添って、その生き方を観ている人に自然に伝えることができたらいいなと思っています」
★池田浩之さん(いけだ・ひろゆき/20歳・静岡県出身)
「元々アニメが好きで、人に注目されるのがすごく好きなので声優という職業を選びました。今日はエントリーナンバー1番だったので焦ったんですけど、自分の全力は出し切れたと思います。今後は青春モノや定番の学園モノに出てみたいです。あまり中学・高校で青春を満喫できなかったほうなので(笑)、声優だからこそ、あのときに戻れるのではないかと。目標としているのは、母校の日本工学院八王子専門学校の出身者の江口拓也さんと逢坂良太さん。学校の広告に載るぐらい、学校を背負うような活躍をしていける声優になって、何年かかるか分かりませんが、『声優アワード』受賞者として、文化放送のあのステージにまた立ちたいです」
★上村彩夏さん(うえむら・あやか/23歳・山口県出身)
「バンドでドラムをやったり、モデルをしたり、表現することは以前から好きでした。そこから声優を目指すようになったのは家族を笑わせたいと思ったことなんです。バラエティが好きなお父さん、洋画を観るお母さん、音楽やゲームが好きな兄が共通して触れるのが『声優』という存在。ちっちゃい子供からおじいさんおばあさんまで、幅広い年齢の人が観るような番組に出て、テレビをつけたら“またお前か!”というような声優・ナレーターになるのが目標です。将来は強くてカッコいい、大人の女性を演じてみたいです。自分自身と真反対のものにはすごく憧れますね」
★鈴木緋莉さん(すずき・あかり/18歳・東京都出身)
「今日は高校の卒業式だったんですが、こちらに来てよかったなと。協力してくれた友だちや家族に感謝の気持ちでいっぱいです。自分ではない何かになることに憧れていて、自分の力で人に元気を与えられたら素敵だと思ったので、大好きなアニメに関われる声優を目指しました。高校では軽音楽部でボーカルをしていて、歌うことも好きなので、歌でも何かを伝えられるようなキャラクターをやってみたいと思っています。憧れているのは水樹奈々さんで、歌声がちょっと似てるねと言われたことがあったので。今後は声を聞いたときに『鈴木緋莉だ』って思ってもらえるような声優になりたいです」
★西山林佐さん(にしやま・りさ/19歳・北海道出身)
「元々すごく引っ込み思案だったんですけど、小5のとき『ピノキオ』の舞台で主役をやることになったとき、自分を見てもらって、人に認められるのが楽しくて、お芝居の楽しさに目覚めました。そしてアニメ『鋼の錬金術師』で主人公のエドワードを女性が演じているのを観て、声優のすごさに憧れて、今ここに来ています。私は『スタンド・バイ・ミー』のリバー・フェニックスが好きで。吹き替えの高山みなみさんは『名探偵コナン』『忍たま乱太郎』と、いろんな少年役をやっているのに全部違って聴こえて、そして説得力のある芝居ができるのがすごいなって思って憧れています。私も、少年の声といえば西山って言われるような声優を目指しています」