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2014/02/07 22:51
監督の発言に出演者からレッドカード 映画『東京難民』一般完成披露試写会
映画『東京難民』の一般完成披露試写会が都内で行われ、主演を務めた中村 蒼をはじめ、出演者、監督が出席。一般の方に初めて公開となる試写会前に、それぞれ本作への意気込みを語った。
映画『東京難民』は気楽な毎日を送る大学生が一瞬にして家もケータイもお金もすべてを失い、ネットカフェ難民からホスト、その後ホームレスへと落ちていく姿を描く、“現代日本”のもう一つの顔を真正面から描く衝撃作。
現代の社会を鋭く描く本作に、舞台挨拶も厳かに進むかと思いきや、MCが中村の紹介で名前を“そう”と呼び間違え会場は爆笑の渦。「もう一回やり直しをさせてください!」とお願いするMCに中村は「大丈夫です」と苦笑しながらそのまま挨拶を続け、さらにホスト役を演じた中尾明慶は「中村 蒼くん青柳 翔さんのホスト姿は『うんうん』って感じなんですが、僕に関してはどうか優しい気持ちで観ていただけたらなと思います」と笑顔で語り、会場はほんわかムードに。
さらに、ホームレスになった修(中村)と出会う鈴木役・井上 順は雪が降る中のイベントに、「みなさん寒くて元気がないかなと思ったんですが、温かい声援をいただいて。もう一声元気な声をいただきましょうかね? みなさんこんばんは!」と観客から盛大な拍手をもらい「最高です。そのエネルギーを持って、映画も楽しんでください。井上 順でした!!」とハイテンションな挨拶。佐々部清監督も「雪が降っています。足元がお悪い中ありがとうございます。終わって帰る頃、みなさん東京難民になってください」とタイトルにかけたジョークも飛び出し、なんとも楽しげな舞台挨拶となった。
ただ、それぞれ本作にかける想いは強く中村は「当時の僕しかできなかったことをやりましたし、120%の力でお芝居したと自信を持っています」と語尾を強め、ホストの修に惹かれ自身も落ちていく看護師役・大塚千弘は「私にとっても大切な作品。そんなに緊張するタイプではないんですが、やっぱり(中村との)ラブシーンはドキドキしちゃいました」と照れた表情。その本格的なラブシーンについて大塚は「前日に監督から『大丈夫だから』と電話をくれたりして、ホントにいろいろケアもしてくださって。でも、緊張しましたよね?」と中村に語りかけると「緊張しました。でも僕は監督から電話がなかったので寂しいです」と口をとがらせた。
また、ホストクラブの常連を演じた山本美月は「これほど考えさせられる作品に参加は初めてだったので、たくさん悩んだんですが、無事に今日を迎えられて嬉しい」とホッとした顔。ホスト役を演じるにあたり実際にホストクラブに行き役作りを行ったという青柳は「ホストクラブに行ったら、夢を持っている人ばかりで僕たちと共通する部分、共感できる部分がたくさんあったので、すんなり役に入ることができました」と振り返った。
撮影の現場はというと「セリフを噛んだりすると監督がイエローカードを一枚出すんですよ。いつかレッドカードが出て退場させられちゃったらどうしようと思ってドキドキしてました(山本)」と楽しそうな雰囲気だったよう。中尾も「映画っていいなって思わせてくれる現場で、監督に出会えたのは大きな財産だなと思います」とストレートに表現。このラブコールに監督は「撮影が去年の1月ずっとやっていたんですが、子どもが生まれたのが10月だったな〜と思うと、あの大変な撮影中に・・・」とチラリ。「今日マスコミの方もいらっしゃいますから、この辺で僕の話は終わりに」とここで中尾からレッドカード。さらに「R指定の映画でトライだったんですけど、キャスやスタッフが支えてくれたと感謝しています。あとはこの記事をいい感じで出していただいて、中尾のところだけはカットしていただけたら(監督)」、「もう遅いですよ〜〜!(中尾)」と真面目かつ軽快なやり取りを見せた。
またこの日はサプライズ企画として、本作の主題歌を歌う高橋 優も登場。ステージで主題歌『旅人』の生歌披露をし、会場からは大きな歓声が上がった。楽しい雰囲気のまま最後は中村から「今日はみなさんから温かい声援をもらえて、今年始まって少しですけれど、今年始まってから一番嬉しくて。ホントに嬉しいです!」と笑顔で挨拶。「どうしても楽しいこと、良いことって、先にあると思いがちです。でもこの作品をやって、そうじゃなくて360度見渡したら足元に身近な幸せがいっぱいあると思うんです。帰れる家がある、お風呂に入って気持ちいい、ご飯食べておいしいとか当たり前のことをちゃんと感じて幸せに思えれば、毎日毎日楽しくなって、自然と道は切り開けていけるんじゃないかなと。皆さんにもこの作品を観てそこを感じてくれたら」と観客に熱く語りかけた。
映画『東京難民』は2月22日より有楽町スバル座ほか全国ロードショー。なお、現在発売中の『デ☆ビュー』3月号には、本作で主演を務めた中村 蒼のインタビューが掲載。