23日に新曲『Help me!!』をリリースしたモーニング娘。。今回の新曲でメインボーカルの一角を担う譜久村 聖(16)、10期メンバーで成長著しい工藤 遥(13)、そしてこのシングルから、本格的にパフォーマンスに参加している11期メンバーの小田さくら(13)、ハロプロ研修生からメンバーになったこの3人が、話題の新曲について、そして研修生からメンバーになっての試行錯誤についても語った。

　ここ最近、ダンスパフォーマンスのレベルが格段に上がり、新曲『Help me!!』では、アイドルグループというより、本格的ダンスグループというイメージを与えるモーニング娘。。今回は11人が揃って一つの振りになるというダンスで、“翼”のように、徐々に広がっていく動きなどが特徴的だ。「ミュージックビデオの撮影前にはしっかりやらなきゃと思い、家で練習したんですけど筋肉痛になって…」と譜久村は笑う。

　今回のシングルは、11期メンバーとして昨年秋に加入した小田が、初めてパフォーマンスで参加、現在の11人体制初の作品としても注目される。モー娘。の伝統として、初参加の新人が目立つソロパートを任されるケースも多いが、小田もBメロでソロパートをしっかりつとめている。新人の顔見せというよりは、メンバーの歌声にすっかり溶け込んでおり、「歌は最初から違和感がなかったです」(譜久村)と先輩メンバーからの評価も高い。「また普段の様子も含めて、前からいる子のような感じです。研修生にいた分、踊れる曲も多いから、最初から慣れた感じです」

　今回登場の3人はいずれもハロプロ研修生(ハロプロエッグ)出身。譜久村と工藤は一緒にレッスンを受けていた期間もあったが、小田は2人とほぼ初対面。現在、小田にとって、歌やダンスなどパフォーマンスの面でアドバイスをもらうのは譜久村や鞘師(里保)だというが、普段の生活のことなど全般のアドバイスしてもらうのは工藤が一番多いとのことだ。「私は10期の中でも一番年下だけど、年が近い私が教えてあげなければという意識にはなりましたね」と工藤は話す。

　モーニング娘。には、以前は“教育係”という形で、新メンバーには、期の近い先輩メンバーが、礼儀や技術などをマンツーマンで指導する制度があったが、9期からそれがなくなったそう。

　だが「9期と10期の間で誰が誰に相談するという関係性が自然にできていました」と工藤。「10期がケンカが絶えなかったりハチャメチャだったので、私は何かあると譜久村さんに相談していましたね」。その譜久村は「最近、ほんとに、くどぅー(工藤)が大人になったなと思います。たとえば先生に注意されたことにきちんと反応するようになった」と話す。
「9期が入った時に、レッスンで先生に注意されたことに一生懸命になりすぎて、返事をしなかったり、答えを返さなかったりして、それを光井(愛佳)さんにすごく怒られたんです。で、10期が入ってきて、やっぱり先生の指示に反応できてなくて、注意するようになりました。そして10期も、11期の小田ちゃんが入ってきて、先生や先輩からの指示にもちゃんと返事ができるようになったし、『お待たせしました』とかそういう一言が言えるようになりました」

　工藤は「田中(れいな)さんにも言われたんですけど、『小田ちゃんが先輩に挨拶するのを忘れたりすると、10期で言ってあげなきゃダメだよ』って。でも注意する前に“自分たちは本当にちゃんとできてるか”ということを確認するようになりました。人に注意する前に、まず自分がちゃんとしなければと」と話す。

「ハチャメチャだった」という10期も、後輩が入ったことで自覚が出てきたようだ。工藤はいう。「以前は、たとえば『誰々が挨拶してなかった』ということがあると、ケンカ腰になっていたり…。
でも小田ちゃんが入ってきて、『ちゃんとしなくちゃいけない』という意識が出てきました。まーちゃん(佐藤優樹)でさえも『今、挨拶に行ったほうがいいんじゃない』ということを自分から言い出したのでビックリです」。
　譜久村も「みんなが挨拶に行っても行かなかった優樹ちゃんが…」と笑う。

　工藤は振り返る。「10期は、オーディションの時の合宿もすごかったです。みんな、自分のことでいっぱいいっぱいで、まーちゃんなんか、練習中にギャーギャー言って騒いでたり、そういうのが許せなかった。合宿の時に、先生に個別にダンスや歌を教えてもらえる時間があったんですけど、一人20分なのに、ダンスができなくて個別指導の時間が延びてしまう子もいるんですよ。その分、研修生出身の子はある程度できるからと、短くされるんですよ。そういうのも許せなくて！
私の時は担当が夏(まゆみ)先生で、歴代の先輩たちを見てきた先生だから聞きたいことや教えてもらいたいことがたくさんあったのに、短くされてすごく腹が立った。そういうこともあって、合格後も自分から壁を作っていて、そんなに仲良くなれなかったんですよ。今、仲良くなれて本当によかったなと思います」

　一方で9期も「最初はまとまりが悪かったですね」と譜久村。「最初の春ツアーの時に、すごく怒られたんです。誰か一人ができなくても4人全員が怒られたから、内心『誰々のせいで怒られた』と、顔も見たくないと思ってた時期もありました。今は仲がいいし、10期が入ってきてから、9期で力を合わせて、10期を成長させなければという思いも出てきて、お互いが分かり合えるようになったと思います」

　彼女も、工藤同様、最初は他の同期メンバーに壁を作っていたという。
譜久村は9期のオーディションで一度落ちているが、最終審査発表時に、つんく♂の一声で復活合格を果たしている。「だから、最初『自分はこの期に入っていいのかな』と思いました。他の3人は合宿や審査で一緒に頑張ってきたけど、私は1回しか3人に会ってないので。やっぱり最初は一人になっていたので、それを見て光井さんが一緒にいてくださって…」

　譜久村が信頼を寄せる光井には、小田も助けられたという。「光井さんがハロコンでコーナーMCを担当されているんですけど、いろいろと話しかけてくださって…。『今日は喉の調子がよくないみたいだね』と気遣ってくださったり、誰々さんに挨拶していないから、行ってきたほうがいいよって言っていただいたり」

　その小田にとって、今月2日からスタートしたハロプロ新春公演が初ステージとなった。緊張感は大きかったかと思いきや…「実際にステージに立つとそうでもなかったです」と笑顔。「リハーサルは苦労しましたけど…。もちろん本番では違った不安もあるんですけど、でも何よりも楽しかったですね。ゲネプロのステージもやったんですけど、お客さんが入ったほうが断然楽しかったです！」

　小田はハロプロ研修生時代に発表会公演の出演経験はあるが「当時はまだ、私のことを知っている人がほとんどいない状態だったので…。今回私のことを知ってくださる人が多い中で“さくら！”って歓声をもらえたのはうれしかったです」と心からステージを楽しんだ。

　それには工藤も驚いた。「私も研修生としてハロコンに出ていたとはいえ、やっぱりモーニング娘。として初めて出た時は緊張しましたから。でも、それまでになかった衣装の着替えがあったり、マイクを持って歌うことができたり、すごくうれしかったのを思い出します」と、その歓びは、研修生出身者共通の思いだったようだ。

　さて、今回の新曲『Help me!!』では、譜久村がメインボーカルの一角に抜擢さている。工藤は「今回の曲はソロパートが少ないんですよ。その中でパートをもらってる譜久村さんはすごいと思います」と話す。

　譜久村は「自分でもなんでかよくわからないんですけど、今回はさくらちゃんが入ってきて初のシングルだから、まずさくらちゃんがフィーチャーされると思ったし、(鞘師)里保ちゃんと田中(れいな)さんでメインでやっていくのもわかったし、そんな中でなんで私が選ばれたんだろうと。レコーディングの時に風邪をひいていて、今回もらったパートも声が結構出なかったところで…。すごく悔しいレコーディングだったのにソロパートをもらえたのが嬉しかったから頑張ろうって！」

　最後に、そんな気合の入った新曲について、譜久村は「サビは、今のモーニング娘。の勢いを表しているんじゃないかと思うので、ぜひ聴いてもらいたいなと思います！」とアピールした。